トーマスがかつて働いていた研究所での話である。この研究所には、所管官庁から天下りが専務理事となって送られてきた。いずれ、役に立たない人間ばかりであったが、官庁に予算を握られているので、どうしようもない。
ある専務理事は、海外出張と称して、ファーストクラスと一流ホテルを使い、海外のお友達とゴルフ三昧の旅をしていた。本人は海外視察と称していたが、彼が海外に行ってもなんの意味はない。この手の海外旅行は、天下りが得意とするところである。
この専務理事、なにを思ったか、研究所の若手と飲み会を持った。そこで、滔々と世間は甘くないという話をしたらしい。専務のおごりだから仕方がないと若手は思って、くだらない話に我慢していたが、なんと、清算の段になって、この専務、今日は割り勘とのたもうた。ただ酒だったらしょうがないとバカな話を聞いていた連中も、ここで頭にきたらしいが、確かにおごるとは言われていない。渋々、みんなが飲み代を払った。
ところが、こっそり若手が見ていると、この専務は、店から領収書をもらっていたそうだ。そして、後日、若手との懇談と称して研究所にその金を請求したのだ。情けない。ただでさえ給料の安い連中の支払いをピンはねしたのである。
最近、官僚の不祥事がやまのように報道されている。しかし、その陰で、報道されない不正がいくらあるのだろうか。暗澹たる気持ちにならざるをえない。
2008年4月21日月曜日
タクシー券
道路特定財源から国土交通省の役人が無尽蔵にタクシー券を使っている問題がクローズアップされている。しかも、同じ帰宅路なのに、日によって2倍以上も請求額が異なるという。
かつて、ある省庁の役人と飲んだ時「いまは国会中だから役所に帰ります」と言って深夜に霞ヶ関に戻ったのをみて、いたく感心したことを覚えている。やはり、役人は身を粉にしてお国のために働いているのだと思った。普段の発言を聞いて、役人はどうしようもないなと思っていたので、そんな自分を恥じたことがある。
ところが、この話を、あるシンクタンクの知人にすると、苦々しくこう応えた。「あいつら、仕事のために帰っているのではありませんよ」と。役所で少し休んで、終電がなくなる時間になったらタクシーで帰るのだという。つまり、自宅までタクシー券で帰るために、役所に顔を出すのだという。
さらに、友人は、驚くべき話をした。キャリア官僚の重要な仕事のひとつは、ばかな大臣のために国会答弁を用意することだと言われている。そのため、国会開会中は、深夜まで役所に待機していると思っていた。ところが、国会答弁は、シンクタンクに丸投げで、彼らは、それをチェックするだけだというのだ。しかも、官僚の思惑で何度も書き換えさせられるので、シンクタンクの職員には身体をこわすものが続出だという。
確かに、天下り先の公益法人も、省庁から随意契約で受けた業務を3割ほどピンはねして下請けに丸投げしている。国会答弁も同じ構図なのだろう。
かつて、ある省庁の役人と飲んだ時「いまは国会中だから役所に帰ります」と言って深夜に霞ヶ関に戻ったのをみて、いたく感心したことを覚えている。やはり、役人は身を粉にしてお国のために働いているのだと思った。普段の発言を聞いて、役人はどうしようもないなと思っていたので、そんな自分を恥じたことがある。
ところが、この話を、あるシンクタンクの知人にすると、苦々しくこう応えた。「あいつら、仕事のために帰っているのではありませんよ」と。役所で少し休んで、終電がなくなる時間になったらタクシーで帰るのだという。つまり、自宅までタクシー券で帰るために、役所に顔を出すのだという。
さらに、友人は、驚くべき話をした。キャリア官僚の重要な仕事のひとつは、ばかな大臣のために国会答弁を用意することだと言われている。そのため、国会開会中は、深夜まで役所に待機していると思っていた。ところが、国会答弁は、シンクタンクに丸投げで、彼らは、それをチェックするだけだというのだ。しかも、官僚の思惑で何度も書き換えさせられるので、シンクタンクの職員には身体をこわすものが続出だという。
確かに、天下り先の公益法人も、省庁から随意契約で受けた業務を3割ほどピンはねして下請けに丸投げしている。国会答弁も同じ構図なのだろう。
2008年4月20日日曜日
大変だろうな
人の皮膚から万能細胞の合成に成功したことで一躍世の中の脚光を浴びた京都大学の山中教授であるが、相当なプレッシャーだろうなと気の毒に思う。似たようなことを過去に経験しているのでよく分かる。
世界に誇れる研究成果だということで、政府機関がこぞって予算をつけた。年度途中の異例の措置である。何とか、おこぼれに預かろうとする連中も擦り寄ってきて、いっきに巨大な組織を束ねることになった。
いままでは、気心の知れた仲間で研究を進めることができたが、これからは有象無象の野心のかたまりのような連中とも伍していかなければならない。当然、足を引っ張るもの、抜け駆けするものも出てくる。
さらにプレッシャーをかけるのは金を出した役人たちである。彼らは気が短い。多額の予算をつけたならば、翌日には成果が出ると思い込んでいる。しかし、研究環境を整備するだけで一年はかかる。それから研究にかかるのだ。本当の成果が出るのは、その先である。ところが、毎日のように「先生成果がでましたか」と聞いてくる。
今回の研究が厳しいのは、不治の病に苦しんでいる患者や家族に希望を与えたことである。治療に利用するには、まだまだ数多くのハードルがある。近日中に成果が出なければ、バッシングに会う虞れもある。
山中教授は、臨床医師であった。難病に苦しむ患者をみて、それを直したいという思いで、研究の道に進んだという。そんないい人をつぶしてはならない。健闘を祈るのみである。
世界に誇れる研究成果だということで、政府機関がこぞって予算をつけた。年度途中の異例の措置である。何とか、おこぼれに預かろうとする連中も擦り寄ってきて、いっきに巨大な組織を束ねることになった。
いままでは、気心の知れた仲間で研究を進めることができたが、これからは有象無象の野心のかたまりのような連中とも伍していかなければならない。当然、足を引っ張るもの、抜け駆けするものも出てくる。
さらにプレッシャーをかけるのは金を出した役人たちである。彼らは気が短い。多額の予算をつけたならば、翌日には成果が出ると思い込んでいる。しかし、研究環境を整備するだけで一年はかかる。それから研究にかかるのだ。本当の成果が出るのは、その先である。ところが、毎日のように「先生成果がでましたか」と聞いてくる。
今回の研究が厳しいのは、不治の病に苦しんでいる患者や家族に希望を与えたことである。治療に利用するには、まだまだ数多くのハードルがある。近日中に成果が出なければ、バッシングに会う虞れもある。
山中教授は、臨床医師であった。難病に苦しむ患者をみて、それを直したいという思いで、研究の道に進んだという。そんないい人をつぶしてはならない。健闘を祈るのみである。
2008年4月6日日曜日
ねじれ国会
マスコミの論調によると、参院で民主党が勝利したために、国会運営がねじれ、行政が停滞しているのだという。また、暫定税率の延長が認められなかったために、地方の道路工事が止まり、福祉にも影響が出ていると伝えている。
しかし、参院で野党が過半数をとったおかげで、いままで闇に閉ざされていた部分が表に出てきたのではないか。いかに社会保険庁がひどい役所であり、年金行政がでたらめであったことも明らかになった。与党は150年安心できる年金制度と豪語していたのである。
道路特定財源も同様である。本来、道路に使うべき金を天下り組織に垂れ流してきた。そして、その組織を還流して道路族と呼ばれる政治家にも金が渡っていた。自民党が勝利していたら、今後、10年間税金が食われ続けていただろう。
いまの大きな期待は、200兆円という巨額の特定財源が何に使われているかを明らかにすることである。その金を有効に使えば、日本の社会が変わる可能性もある。
しかし、参院で野党が過半数をとったおかげで、いままで闇に閉ざされていた部分が表に出てきたのではないか。いかに社会保険庁がひどい役所であり、年金行政がでたらめであったことも明らかになった。与党は150年安心できる年金制度と豪語していたのである。
道路特定財源も同様である。本来、道路に使うべき金を天下り組織に垂れ流してきた。そして、その組織を還流して道路族と呼ばれる政治家にも金が渡っていた。自民党が勝利していたら、今後、10年間税金が食われ続けていただろう。
いまの大きな期待は、200兆円という巨額の特定財源が何に使われているかを明らかにすることである。その金を有効に使えば、日本の社会が変わる可能性もある。
2008年4月1日火曜日
国歌斉唱
トーマスがアメリカの高校に通っていた頃の話である。その高校は公立だったので、いろいろな人種、いろいろな成績の生徒が通ってきていた。必修科目が国語、社会、体育ぐらいだったので、バイトに明け暮れるものも多かった。不良グループもいて、あまり環境がよいとは言えなかったと思う。(危険ではなかったが)
しかし、その高校でひとつ感心したことがある。朝の国家斉唱である。全員が起立し、国旗に向かって居住まいを正し、国家 (national anthem) を斉唱するのである。面白いのは、不良グループに属している連中も、かぶっていた帽子を脱いで、胸にいだき直立の姿勢で国歌を斉唱する。毎朝である。
アメリカは多民族国家であり、国をまとめるためには愛国心を植えつけるのが重要なのだという。その一環として、国旗と国歌に敬意を払うことを小さい頃から刷り込まれるらしい。
自国を愛する。それが基本ではないか。今春の卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかったり、退席した都の教員が20人もいたらしい。教師に同調する生徒もいたという。
確かに「君が代」を国歌とすることには議論があろう。しかし、だからと言って、多くのひとが国家斉唱する時に、それを拒否し、あまつさえ生徒にも、それをすすめる。これが教育だろうか。
しかし、その高校でひとつ感心したことがある。朝の国家斉唱である。全員が起立し、国旗に向かって居住まいを正し、国家 (national anthem) を斉唱するのである。面白いのは、不良グループに属している連中も、かぶっていた帽子を脱いで、胸にいだき直立の姿勢で国歌を斉唱する。毎朝である。
アメリカは多民族国家であり、国をまとめるためには愛国心を植えつけるのが重要なのだという。その一環として、国旗と国歌に敬意を払うことを小さい頃から刷り込まれるらしい。
自国を愛する。それが基本ではないか。今春の卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかったり、退席した都の教員が20人もいたらしい。教師に同調する生徒もいたという。
確かに「君が代」を国歌とすることには議論があろう。しかし、だからと言って、多くのひとが国家斉唱する時に、それを拒否し、あまつさえ生徒にも、それをすすめる。これが教育だろうか。
2008年3月23日日曜日
新銀行東京
どうやら都議会は400億円の追加融資に賛成するようだ。銀行がつぶれたら、融資先や預金者に迷惑がかかるというのが、その理由という。苦渋の決断であるとも言っている。
しかし、この銀行ができたとき、都議の口利きでただ同然の融資を受けた不届き者が多いと聞く。要は、身内を助けたいというだけの話である。しかも、たとえ融資先がつぶれたとしても都が後始末をしてくれるということから、詐欺まがいの融資も横行したという。つまり、借りるだけ借りて踏み倒すという強引な手法である。おそらく闇社会にも相当な金が流れているはずである。
知事と都議会議員、さらに都庁の役人がよってたかって税金を食いものにした。それが新銀行東京の真の姿であろう。追加融資の400億円は、自分達の身内の金を保護するためだけのものである。すべて闇に消える運命にある。
もちろん、全員が悪人だったわけではない。新銀行のやり方に苦言を呈した銀行マンもいたと聞く。ところが、そういう人間は、反逆者としてすべてクビにされたという。
しかし、この銀行ができたとき、都議の口利きでただ同然の融資を受けた不届き者が多いと聞く。要は、身内を助けたいというだけの話である。しかも、たとえ融資先がつぶれたとしても都が後始末をしてくれるということから、詐欺まがいの融資も横行したという。つまり、借りるだけ借りて踏み倒すという強引な手法である。おそらく闇社会にも相当な金が流れているはずである。
知事と都議会議員、さらに都庁の役人がよってたかって税金を食いものにした。それが新銀行東京の真の姿であろう。追加融資の400億円は、自分達の身内の金を保護するためだけのものである。すべて闇に消える運命にある。
もちろん、全員が悪人だったわけではない。新銀行のやり方に苦言を呈した銀行マンもいたと聞く。ところが、そういう人間は、反逆者としてすべてクビにされたという。
2008年3月20日木曜日
道路特定財源
前回のブログで、道路特定財源がいかに官僚に食い物にされているかを書いた。政治家も地方の首長もそれを知っていながら、自分達の利権のために無視している。ブログでは書かなかったが、無視している連中にはマスコミも入っていた。
道路特定財源に限らず、すべての特別会計は同じような状態にある。不必要な天下り団体をやまのようにつくり、人件費を手当てするためだけに、益のない業務を委託している。
今回、驚いたのは、その悪行をマスコミが暴きだしたということである。その背景が実はつかめない。政治的力学がどこかで働いたとしか思えない。一説には、小泉さんが裏で動いたという話もある。真実は分からないが、いずれ、理不尽なことが一部でも明らかになったことは喜ばしい。
ただし、影で暗躍している政治家の名前が出てこないのは不思議だ。もしかしたら、裏取引があったのだろうか。
道路特定財源に限らず、すべての特別会計は同じような状態にある。不必要な天下り団体をやまのようにつくり、人件費を手当てするためだけに、益のない業務を委託している。
今回、驚いたのは、その悪行をマスコミが暴きだしたということである。その背景が実はつかめない。政治的力学がどこかで働いたとしか思えない。一説には、小泉さんが裏で動いたという話もある。真実は分からないが、いずれ、理不尽なことが一部でも明らかになったことは喜ばしい。
ただし、影で暗躍している政治家の名前が出てこないのは不思議だ。もしかしたら、裏取引があったのだろうか。
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