2010年3月14日日曜日

政治家の資質

 元官僚と飲む機会があった。そこで、話題になったのが政治家の資質である。最初はクリーンに見える政治家でも10年たてば利益誘導型の政治屋に変わるという。ただし、そういう政治家は官僚としては御しやすいという。地元の利益をえさにすれば、本来通したい法案に賛成してくれるからだ。

 えびで鯛をつるということかもしれない。しかし、えびも積もれば巨額の負債に膨れ上がる。それがいまの日本の実情ではないだろうか。

 いままでつきあった政治家でもっともダメと思ったのは誰かと聞いたら、鳩山邦夫という答えがすぐに返ってきた。政治家としての知恵も見識もないという。随行したハイヤーの中で、政治の話をそっちのけで、地元の議員とかけごとを始めたのには本当に驚いたと言っていた。普段の発言を聞いていれば納得できる。

 それでは、評価できる政治家は誰かと聞いたら、なんと与謝野馨と、大島理森という答えが返ってきた。驚きである。自民党の大島幹事長は、強持てで有名で、怖い顔のひとと揶揄されている。見るからに、党人型の政治家という印象であるが、このふたりは将来の日本を考えて仕事をしているというのである。

 ただし、与謝野さんの秘書は親分は選挙に弱いと嘆いていたらしい。多くの政治家は、支持者の前で臆面もなく土下座できるが、与謝野さんはそんなことをしないらしい。飲み会に出席しても、ビールをついでまわらないという。これでは選挙に勝てないというわけだ。これを聞くと、選ぶ側の国民にも責任がありそうだ。

 最後に、小沢一郎はどうかと聞いたら、彼は立派な政治家と即座に応えた。日米で膠着状態が続き、官僚も困っていた案件があったとき、彼が出ていって話を見事にまとめたというのである。このような官僚の本音を国民の前に引き出せば、政治も少し変わるのではなかろうか。