2010年5月15日土曜日

普天間問題

 鳩山首相のぶれつづける発言で、民主党の人気ががた落ちの原因となっている普天間基地移転問題であるが、必ずしも、悪いことばかりではなさそうだ。まず、日本に本当に米軍基地が必要なのか。そして、基地のあることが、抑止力になるのかどうかの根本問題が議論されるようになったからだ。

 日本の自衛隊には、抑止力はないと言うが、かつては世界第二位の軍事力と言われていたほど巨大である。その数もアメリカ海兵隊に比べれば、はるかに大きい。敵国を攻撃することはできないから、自衛隊には抑止力がないというが、日本を守るという国防の立場に立てば、その存在は非常に大きい。

 逆に言えば、わずか800名のアメリカ海兵隊の存在意義はほとんどないであろう。そもそも、海兵隊は、海外に滞在している自国のVIPや国民を守るのが使命であり、その規則によれば、日本国民を守るという任務はないらしい。

 軍事費をどれだけ節約できるかは、世界各国の課題であり、アメリカも多くの基地を縮小している。日本に居続けるのは、日本が拠出している2000億円を超えるおもいやり予算のおかげである。もし、その金がカットされたら、即刻本国に引き上げるであろう。

 この予算削減の話が出始めたとたん、あれだけ強硬だったアメリカ要人の発言がやわらかくなった。もし、基地擁護派が言うように、自衛隊に抑止力がないのであれば、それこそ、自衛隊にかかる費用を削減すればよい。

2010年5月2日日曜日

ギリシャ破綻

 ギリシャの人口は1100万人程度で、日本の約1/10の規模である。今回、その国家財政が破綻し、世界的な問題となっている。ギリシャは、観光立国で有名な国である。その国民総生産の7割以上が観光に頼っているという。世界中から観光客が集まり、そのおかげで、国家財政が成り立っていたのである。

 何も生産していなくとも、その歴史や世界遺産、そしてエーゲ海などの自然を売り物にして国家が成り立っていたのであるから、ある一面では幸せだったのだろう。しかし、経済がおかしくなれば、ひとびとは節約する。観光旅行などの贅沢をカットするのが自然である。国家収入が急減するのは当たり前である。

 しかも観光に頼っているため、あまり働かなくとも収入がある。その結果、やたらと公務員が増え、その平均年収も高かったらしい。さらに、58歳から年金ももらえる。これでは、財政が破綻するのが当たり前である。

 イタリアにはふたつの国があると言われている。工業などの生産を頼りにしているミラノを中心とする北と、ナポリなど地中海の自然を売り物にした観光中心の南である。南では働かなくとも観光で食えるため、ゆったりとした時間が流れる。彼らはまったく時間を守らないと北のひとたちは怒っていた。ギリシャの破綻を聞いて、ふと、そのことを思い出した。