2008年11月25日火曜日

静岡空港

 これほど杜撰な税金の無駄遣いはないであろう。静岡空港建設である。まったく需要が期待されないなかで、国と地元の議員らが無理やり誘致した。ANAもJALも大迷惑と聞く。しかし、これら会社も所詮は国営企業のなれのはてである。逆らうことなどできないのであろう。

 地方税でつくるならどうぞと言いたい。しかし、巨額の国税が投入されている典型的な公共事業である。さらに、初期投資だけではない。これから、巨額の税金が垂れ流しになる。

 しかも驚くことに、測量ミスで、空港反対の地権者が有する立ち木がじゃまになって、まともに着陸できないというのである。それを隠蔽するために、滑走路を短くしようとしたり、それが表ざたになると、その地権者が巨額の補償金をとるために、わざと木を切らないと他人のせいにしたり、まったく無茶苦茶である。

 ようやく知事が自身の責任を言及し、ボーナスを返上するそうである。しかし、マスコミが黙っていたら、知らぬ存ぜぬを通していたのだろう。

 知事の経歴を見て納得した。こてこての官僚である。東大法学部を経て自治省に入り知事になったいまどき化石のような存在。知事になって、名誉と金が欲しい。志のない人間の典型である。

 今後、どれだけの血税が無駄にされるのだろうか。溜め息が止まらない。

2008年11月22日土曜日

KY

 最近のKYは、麻生首相の「漢字読めない」らしいが、もともとは「空気読めない」の略であった。

 アメリカのビッグスリーと呼ばれる自動車大手のCOEが、経営が苦しくなったとことから、議会に公的資金の注入を依頼するため、ワシントンを訪れた。その時、三人とも自家用ジェットでワシントンに向かったために、大顰蹙を買ったという。まさにKYである。

 最近のビッグスリーは、本業そっちのけで、子会社の金融会社がマネーゲームに走り、収益を上げていたらしい。そのため、本来の自動車製造に力が入らなかったのである。メーカーのあるべき姿ではなかったのである。その経営手法も非難されている。

 この話を聞くと、バブルの頃の日本メーカーを思い出す。本業をおろそかにして、マネーゲームに走っていた。汗水たらして働く現場をばかにした経営陣が重用されていたのである。一日にして、本業では半年かかっても上げられない収益をあげる。まさにヒーローであった。

  しかし、所詮マネーゲームである。バブルがはじけたら、金融で手にした金よりも、はるかに大きな損失を出し、会社にとって大切な資産を投売りするはめになった。その際、日本を非難したアメリカが、同じ愚を繰り返している。情けない。

2008年11月15日土曜日

総理大臣のレベル

 麻生総理大臣が漢字を読めないことが、いろいろなところに波紋を投げている。頻繁をはんざつ、未曾有をみぞゆう、踏襲をふしゅう、詳細をようさいなどと読み間違えるというのは常識外である。

 定額給付金を勝手に決めて、その分配方法を地方に押し付けることを地方分権と呼ぶひとであるから、そのレベルは知れよう。漫画が好きということだが、どうやら本は読んだことがないらしい。

 ただし、日本の総理大臣の学力は昔から高くないことは知られている。有名どころのもうひとりは森元首相であろう。早稲田大学に裏口入学したことを、自慢げに話しているのには本当に驚いた。

 このように、漢字を読めない低レベルの政治家はたくさんいるが、いままでは、官僚がカバーしてきたのである。たとえば、少し難しそうな漢字にはふりがなをつけるというような気を使ってくれていたはずである。官庁にとって、トップの大臣がバカでは示しがつかないということもあるようだ。

 深読みすれば、官僚が麻生さんをあきらめているとも言える。どうせカバーしたところで、泡沫首相であるし、また、人物的にも支援しがいがない。それなら、どうどうと低脳ぶりを国民にしらしめたほうが日本のためになる。そんな判断を下したのではないか。

 おっといけない。低脳という漢字はあやまりである。低能が実は正しい。

2008年11月8日土曜日

オバマ勝利

 第44代のアメリカ大統領に黒人のオバマ氏が決まった。時代は変わったとつくづく思う。トーマスが1970年代にアメリカに居たころは、まだ人種差別が色濃く残っていた。学校においても、表面上は差別撤廃であったが、黒人がプールを使うことは許されていなかった。あえて泳ごうという黒人もいなかった。テニスクラブやゴルフ場も黒人禁止のところが多かった。

 今回の選挙でも、いざとなったら白人は黒人に投票することをためらうのではないかということが心配されていた。いわゆるブラッドリー効果である。1982年のカリフォルニア州知事選挙のことである。選挙前に圧倒的な有利が伝えられていた黒人のブラッドリー氏が、白人候補に敗れたのである。

 しかし、今回は違った。それだけ、アメリカが変革を求めているということであろう。いま、アメリカでは軍需産業の圧力が強い。イラク戦争も、アフガンも軍需産業が武器を売りたいがためにブッシュ政権を動かしたとされている。

 戦争にはいくらでも金が落ちる。軍需産業が儲かる仕組みだ。しかし、その結果、製造業が空洞化した。自動車産業の凋落がそれにあたる。それでも、アメリカには金融があった。ところが、それもサブプライムローンの失敗で崩壊した。アメリカ国民もchangeが必要であることを痛感したのだろう。

2008年11月3日月曜日

叙勲

 文化の日に、秋の叙勲の受章者の発表があった。4000人ほどが受章した。かつて勲章の授与に関して、勲一等や勲二等などという順位を付すのはどうかという議論があった。みな国のために貢献したのであるから、一等や七等などの区別はおかしいというのである。その通りと思ったものである。

 ある医者の友人が言っていた。勲二等をもらった医師会の重鎮は、国の金をいかに自分の懐に入れるかに腐心した人物であったと。そのために、政治家や役人に賄賂まがいの金を配った。もちろん、自分の金ではない。その功績で勲位が三等から二等に上がったのだという。

 この勲位に対する批判に国は応えて、制度を改めた。勲等の順位を廃止(?)したのである。いまは、旭日大綬章、瑞宝大綬章、旭日重光章、瑞宝重光章、旭日中綬章、瑞宝中綬章、旭日小綬章、瑞宝小綬章、旭日双光章、瑞宝双光章、旭日単光章、瑞宝単光章などとなっている。

 この変更を聞いた唖然とした。変わっていないではないか。一、二、三という漢数字が消え、勲位の数は減ったものの、依然として差をつけている。

 ある人が言っていた。勲位が低いほど国に貢献したひとたちで、上位の連中は、むしろ国民の税金を搾取した連中だと。今回の顔ぶれをみて納得した。

2008年11月2日日曜日

バブルの教訓

バブル崩壊後、日本の経済はずたずたになった。多くの金融機関がつぶれ、日本発の世界恐慌のおそれまで外国から指摘された。

その理由のひとつは、経営陣による銀行の私物化である。情実融資など当たり前で、場合によっては、貸付金を還流させ自分の懐に入れるものも居た。何人かの経営者は逮捕されたが、見せしめやガス抜き程度のもので、逮捕されたものは「なぜ自分だけが」と思ったことだろう。不正を追求しようとしたトーマスの友人に大蔵省の役人がいたが、自殺をしてしまった。政治家や闇の社会とのもたれあいは想像以上のものであったのだろう。家族を皆殺しにすると脅されたのでは、自殺以外の道がなかったのかもしれない。

 その日本を責めた急先鋒のアメリカが壊滅状態にある。前に紹介したサブプライムローンが発端であるが、ふたを開けてみれば、金融機関のトップの腐敗が原因である。金を借りる能力のない人間に、いかに金を貸し続けるかがトップの腕の見せ所というのであるから、開いた口がふさがらない。

 しかし、アメリカは経営者の責任を問わずに、公費を注入することにした。一説によると、政府の中心人物が民間の金融機関の経営陣出身なので、経営者の責任を問う政策など打てないということらしい。自分が逮捕されてしまうからだ。

 いつの時代も、問題が起こったあとに明らかになることは、トップのモラル欠如である。日本では、いまだに食品偽装は続いている。世界的な経済危機で、それがいかにも矮小な問題のように扱われているのが少し心配だ。根は同じである。