2009年2月5日木曜日

丸投げ

 いま公務員の天下りが問題になっている。何十年も前から指摘されながら、一向に是正される気配はない。むしろ、増えているのが現状であろう。

 安い給料で働かされても公務員が我慢できるのは、いずれおいしい天下りが待っているからだという。そのため、天下りをなくしたら、優秀な人材が公務員にならないという意見もある。

 しかし、一方で、1000兆円と言われる国の借金をつくった元凶は、天下りであることも確かである。天下るためだけにつくられた法人は数え切れないほどある。

 ある財団法人は役員が10人以上いるが、実際の事務所は狭いワンルームで、働いているひとはノンキャリ出身のただ1人というところであった。ここに国から20億円近い補助金が支出されているが、この法人は、その一割をピンはねして、あとは100%民間企業に丸投げしているのである。

 結局、ピンはねした金は役員の高額な報酬と、交際費などに消えていく。似たような法人はやまのようにある。これでは、国の借金は膨れ上がるばかりである。

 誰かが真剣になって、この悪弊をとめなければ、日本は確実に沈没してしまうだろう。利権にどっぷり浸かった自民党に、それができないことは確かであるが。

2009年2月1日日曜日

サブプライムもうひとつの陰

 アメリカで捨てられるペットが増えているという。サブプライムローンで破綻して家を手放した人たちが、ペットを置き去りにしているのだ。家族を食べさせるだけで精一杯なのだから、ペットまでは手が回らないのは当然かもしれない。

 ひどい場合には、鎖につながれたまま飢え死にしているペットもいるという。一緒につれていけない。しかし、野に放してしまうと、野生化し狂犬病などの原因になり迷惑がかかる。難しい選択だ。ペットには哀れと言うしかない。

 もともと家には番犬が必要という理由からファッションで犬を飼っていた家もあるという。はじめから愛情がない飼い主もいたようだ。

 現在、アメリカの自治体が野放しになっているペットの捕獲に動いているという。ただし、行政側でもペットを保管しておける期限は限られており、引取り手がなければ処分される運命にあるという。

 CNNで見た動物たちは、檻の中で不安げで悲しそうな目をしていた。人間の愚考がもうひとつの悲劇をつくったのである。一方で、ウォール街の金融機関で働く人間が法外なボーナスを受け取ったことが報じられ、オバマ大統領が不快感を示していた。この不幸の原因をつくった連中が反省することもなく高額な報酬を得る。懲りない面々とは彼らのことであろう。