2008年12月23日火曜日

大学の資産運用

 日本の多くの私立大学が資産運用に失敗して総額で700億円近い損失を出したことが報じられている。これは、アンケートに答えた大学のみの総計であるから、3月の決算時には、さらに損失額は膨らむのは必至と言われている。

 大学には、入学金と授業料という現金が毎年入ってくる。それを寝かせておくのは愚の骨頂であり、うまく資金を動かして、そこから利益を得るのが賢い。そう言われ出したのは、いつ頃だったろうか。

 バブル崩壊後のゼロ金利政策で、日本では銀行に預けてもほとんど利息がつかない。銀行に預ける意味がないと感じた大学は、自分達で資産運用を始めた。大学だけではない。地方自治体や公的組合でも資金のあるところは、運用に走った。

 そのための失敗も多い。アルゼンチン債が紙くずになって、虎の子の資金をゼロにした組合が社会問題になったことを覚えているひともいるだろう。その教訓は生かされなかったようだ。

 とは言っても日本だけを責められない。ハーバード大学では80億ドルの損失を出したという。なんと8000億円である。ハーバードのファンドマネージャーになることは一種のステータスであり、また、彼らが、資金運用で多大な実績を積み重ねてきたのも事実である。その超一流の専門家が失敗したのだから、日本の私立大学の火遊びを責めるのは酷であろう。

 しかし、気になるのは、巷間よく言われる「高等数学を駆使した資産運用」という言葉である。高等数学を使ったからと言って、金儲けができるわけではない。

 昔から相互作用のある3体以上の問題は、数学では厳密解を得ることができないことが知られている。太陽と地球の運動は解析できるが、月が介入したら計算不能となる。経済は、3体どころか、ものすごい数の因子が相互作用を及ぼしている。解けるわけがないのである。

2008年12月21日日曜日

日本沈没のシナリオ

 ある省庁が不況対策という大儀名文のもと、例えば、不況業種に無担保で金を貸すという制度をつくったとしよう。いくら無担保とは言っても、借金はいずれ返さなければならない。融資をまともに受けようという企業の社長は責任感があるから、返済のことをきちんと考える。

 本当に返せるのだろうか。悩んだ末、あきらめるひとも多いだろう。このため、制度を利用しようという経営者はそれほど多くはないのである。ところが、制度をつくった役人にとって、それは困ることである。

 彼らの至上命題は、予算消化である。もともと日本を良くしようという大儀ではなく、不況を利用して自分の省庁に予算を持ってくることが彼らの目的である。畢竟、なりふり構わぬ予算消化に走ることになる。それが悪用されようが、お構いなしである。

 ここに目をつけるのが、暴力団の舎弟企業である。架空の会社を立ち上げ、無担保で大金をせしめる。後は、会社をつぶしてしまえば、金を返す必要がない。結局、不況対策のための税金が闇社会に消えていく。

 選挙に勝ちたい自民党政権は、来年度、88兆円という分不相応な予算を計上した。世界的な経済危機への緊急対応というが、おそらく、対策にはならないだろう。後に残るのは、膨大な国の借金だけである。

上から目線

 麻生総理が再び非難を浴びている。何を思ったか、ふらりとハローワークに視察に出かけたのだ。そして、たまたま来ていた若者を捕まえて話を聞いた。

 彼が、何でもいいから仕事を探していると言うと、麻生総理は説教した。そんなことでは、世話するほうも困ってしまう。自分が何をしたいかを明確にせよと。

 就職相談に来た学生に対する教師のアドバイスならば、これでよいのかもしれない。しかし、このご時世である。派遣切りなどの影響で、歳を越せないひとが増えている。庶民は就職先など選んでいる余裕などないのだ。
 やはり、この総理はひどすぎる。このまま居座られたのでは、日本そのものが沈んでしまう。

2008年12月8日月曜日

がんじがらめ

 日本の地方が悲鳴を上げている。景気悪化による経済の低迷が続いているのである。このため、自民党には地方議員からの陳情が後を絶たない。公共事業を持ってきて欲しい。銀行を助けて欲しい。危篤まぎわの患者になんとかカンフル剤をという願いである。

 しかし、地方が疲弊している背景には、根本的な問題が潜んでいることを忘れてはならない。それは、本質的な問題である。

 田中角栄による「日本列島改造論」が世の歓迎をうけ、道路建設をはじめとする地方の改造に多くの税金が使われた。まさに湯水のごとくという表現が正しい。何もせずに、空から仕事が降ってくるのである。まともな仕事をしているのはばかばかしい。

 地方の人間は、農業従事者も含めて、みな土建業に進出した。農家は兼業であるが、もうけは土建から挙げる。見積もりも当然甘くなる。やりたい放題。このため、甘やかされた土建屋は大きく成長し、自民党の強固な支持団体となった。まさに、税金の搾取団体である。

 膨らんだ建設業界からは、多くの地方議員と国会議員も誕生し、圧力団体だけではなく、議員としても、税金を自分達にもってくることに奔走した。まさにやくざ世界である。この結果、日本の企業構造は大きくゆがんでしまった。

 こんなばかなことが続くわけがない。そう理屈で分かっていても、背に腹は変えられない。とにかく、無駄な税金と分かっていてもどぶに捨てるしかない。これが地方行政だ。小泉さんが、これに歯止めをかけると期待していたが、麻生ですべてが潰えた。

2008年11月25日火曜日

静岡空港

 これほど杜撰な税金の無駄遣いはないであろう。静岡空港建設である。まったく需要が期待されないなかで、国と地元の議員らが無理やり誘致した。ANAもJALも大迷惑と聞く。しかし、これら会社も所詮は国営企業のなれのはてである。逆らうことなどできないのであろう。

 地方税でつくるならどうぞと言いたい。しかし、巨額の国税が投入されている典型的な公共事業である。さらに、初期投資だけではない。これから、巨額の税金が垂れ流しになる。

 しかも驚くことに、測量ミスで、空港反対の地権者が有する立ち木がじゃまになって、まともに着陸できないというのである。それを隠蔽するために、滑走路を短くしようとしたり、それが表ざたになると、その地権者が巨額の補償金をとるために、わざと木を切らないと他人のせいにしたり、まったく無茶苦茶である。

 ようやく知事が自身の責任を言及し、ボーナスを返上するそうである。しかし、マスコミが黙っていたら、知らぬ存ぜぬを通していたのだろう。

 知事の経歴を見て納得した。こてこての官僚である。東大法学部を経て自治省に入り知事になったいまどき化石のような存在。知事になって、名誉と金が欲しい。志のない人間の典型である。

 今後、どれだけの血税が無駄にされるのだろうか。溜め息が止まらない。

2008年11月22日土曜日

KY

 最近のKYは、麻生首相の「漢字読めない」らしいが、もともとは「空気読めない」の略であった。

 アメリカのビッグスリーと呼ばれる自動車大手のCOEが、経営が苦しくなったとことから、議会に公的資金の注入を依頼するため、ワシントンを訪れた。その時、三人とも自家用ジェットでワシントンに向かったために、大顰蹙を買ったという。まさにKYである。

 最近のビッグスリーは、本業そっちのけで、子会社の金融会社がマネーゲームに走り、収益を上げていたらしい。そのため、本来の自動車製造に力が入らなかったのである。メーカーのあるべき姿ではなかったのである。その経営手法も非難されている。

 この話を聞くと、バブルの頃の日本メーカーを思い出す。本業をおろそかにして、マネーゲームに走っていた。汗水たらして働く現場をばかにした経営陣が重用されていたのである。一日にして、本業では半年かかっても上げられない収益をあげる。まさにヒーローであった。

  しかし、所詮マネーゲームである。バブルがはじけたら、金融で手にした金よりも、はるかに大きな損失を出し、会社にとって大切な資産を投売りするはめになった。その際、日本を非難したアメリカが、同じ愚を繰り返している。情けない。

2008年11月15日土曜日

総理大臣のレベル

 麻生総理大臣が漢字を読めないことが、いろいろなところに波紋を投げている。頻繁をはんざつ、未曾有をみぞゆう、踏襲をふしゅう、詳細をようさいなどと読み間違えるというのは常識外である。

 定額給付金を勝手に決めて、その分配方法を地方に押し付けることを地方分権と呼ぶひとであるから、そのレベルは知れよう。漫画が好きということだが、どうやら本は読んだことがないらしい。

 ただし、日本の総理大臣の学力は昔から高くないことは知られている。有名どころのもうひとりは森元首相であろう。早稲田大学に裏口入学したことを、自慢げに話しているのには本当に驚いた。

 このように、漢字を読めない低レベルの政治家はたくさんいるが、いままでは、官僚がカバーしてきたのである。たとえば、少し難しそうな漢字にはふりがなをつけるというような気を使ってくれていたはずである。官庁にとって、トップの大臣がバカでは示しがつかないということもあるようだ。

 深読みすれば、官僚が麻生さんをあきらめているとも言える。どうせカバーしたところで、泡沫首相であるし、また、人物的にも支援しがいがない。それなら、どうどうと低脳ぶりを国民にしらしめたほうが日本のためになる。そんな判断を下したのではないか。

 おっといけない。低脳という漢字はあやまりである。低能が実は正しい。

2008年11月8日土曜日

オバマ勝利

 第44代のアメリカ大統領に黒人のオバマ氏が決まった。時代は変わったとつくづく思う。トーマスが1970年代にアメリカに居たころは、まだ人種差別が色濃く残っていた。学校においても、表面上は差別撤廃であったが、黒人がプールを使うことは許されていなかった。あえて泳ごうという黒人もいなかった。テニスクラブやゴルフ場も黒人禁止のところが多かった。

 今回の選挙でも、いざとなったら白人は黒人に投票することをためらうのではないかということが心配されていた。いわゆるブラッドリー効果である。1982年のカリフォルニア州知事選挙のことである。選挙前に圧倒的な有利が伝えられていた黒人のブラッドリー氏が、白人候補に敗れたのである。

 しかし、今回は違った。それだけ、アメリカが変革を求めているということであろう。いま、アメリカでは軍需産業の圧力が強い。イラク戦争も、アフガンも軍需産業が武器を売りたいがためにブッシュ政権を動かしたとされている。

 戦争にはいくらでも金が落ちる。軍需産業が儲かる仕組みだ。しかし、その結果、製造業が空洞化した。自動車産業の凋落がそれにあたる。それでも、アメリカには金融があった。ところが、それもサブプライムローンの失敗で崩壊した。アメリカ国民もchangeが必要であることを痛感したのだろう。

2008年11月3日月曜日

叙勲

 文化の日に、秋の叙勲の受章者の発表があった。4000人ほどが受章した。かつて勲章の授与に関して、勲一等や勲二等などという順位を付すのはどうかという議論があった。みな国のために貢献したのであるから、一等や七等などの区別はおかしいというのである。その通りと思ったものである。

 ある医者の友人が言っていた。勲二等をもらった医師会の重鎮は、国の金をいかに自分の懐に入れるかに腐心した人物であったと。そのために、政治家や役人に賄賂まがいの金を配った。もちろん、自分の金ではない。その功績で勲位が三等から二等に上がったのだという。

 この勲位に対する批判に国は応えて、制度を改めた。勲等の順位を廃止(?)したのである。いまは、旭日大綬章、瑞宝大綬章、旭日重光章、瑞宝重光章、旭日中綬章、瑞宝中綬章、旭日小綬章、瑞宝小綬章、旭日双光章、瑞宝双光章、旭日単光章、瑞宝単光章などとなっている。

 この変更を聞いた唖然とした。変わっていないではないか。一、二、三という漢数字が消え、勲位の数は減ったものの、依然として差をつけている。

 ある人が言っていた。勲位が低いほど国に貢献したひとたちで、上位の連中は、むしろ国民の税金を搾取した連中だと。今回の顔ぶれをみて納得した。

2008年11月2日日曜日

バブルの教訓

バブル崩壊後、日本の経済はずたずたになった。多くの金融機関がつぶれ、日本発の世界恐慌のおそれまで外国から指摘された。

その理由のひとつは、経営陣による銀行の私物化である。情実融資など当たり前で、場合によっては、貸付金を還流させ自分の懐に入れるものも居た。何人かの経営者は逮捕されたが、見せしめやガス抜き程度のもので、逮捕されたものは「なぜ自分だけが」と思ったことだろう。不正を追求しようとしたトーマスの友人に大蔵省の役人がいたが、自殺をしてしまった。政治家や闇の社会とのもたれあいは想像以上のものであったのだろう。家族を皆殺しにすると脅されたのでは、自殺以外の道がなかったのかもしれない。

 その日本を責めた急先鋒のアメリカが壊滅状態にある。前に紹介したサブプライムローンが発端であるが、ふたを開けてみれば、金融機関のトップの腐敗が原因である。金を借りる能力のない人間に、いかに金を貸し続けるかがトップの腕の見せ所というのであるから、開いた口がふさがらない。

 しかし、アメリカは経営者の責任を問わずに、公費を注入することにした。一説によると、政府の中心人物が民間の金融機関の経営陣出身なので、経営者の責任を問う政策など打てないということらしい。自分が逮捕されてしまうからだ。

 いつの時代も、問題が起こったあとに明らかになることは、トップのモラル欠如である。日本では、いまだに食品偽装は続いている。世界的な経済危機で、それがいかにも矮小な問題のように扱われているのが少し心配だ。根は同じである。

2008年9月23日火曜日

補正予算

 自民党の総裁選挙が終わり、いよいよ解散かと思っていたら、補正予算を通すのだという。景気対策に必要といわれているが、補正予算ほどムダなものはないし、景気対策の効果はない。選挙のためのばら撒きで、ただでさえ悲惨な状態の国家予算の赤字を増やすだけである。

 補正予算は、その年度内に使いきる必要がある。かつて、科学振興のために補正予算が使われたことがあった。とてつもない額の予算がつくので、国立研究所などは高価な装置を買いあさった。

 ところが、装置を置く場所がないのである。しかも、新人の採用を控えていたので、装置を動かす若手もいない。結局、買った装置は物置などに雨ざらしになっていた。

2008年9月20日土曜日

コンビニ深夜営業

 コンビニの深夜営業を自粛しようという動きが自治体のなかで広がっている。条例で規制しようという動きもある。その背景には、地球温暖化に対する環境問題への関心がある。CO2排出の原因である電力需要を抑制しようというわけである。

 しかし、いまの電力供給体制は昼間の最大電力使用量に対応するように決められている。これは、電力使用量が供給量を上回ると大規模な停電がおき、社会が大混乱するからである。実は、夜間の使用量は昼間よりもはるかに少ないうえ、発電所では、電力の供給量を自由に制御することはできない。つまり、夜間にはムダな電力を供給し続けているのである。このため、夜間の余った電力を昼に使えないかという観点での技術開発が進められている。

 つまり、コンビニの深夜営業をやめても、地球温暖化抑制にはまったく効果がないのである。この認識のうえで議論する必要がある。

もちろん、夜間のコンビニに未成年者がたむろするという別の問題があるが、議論の前提を共通認識として持つ必要があろう。

2008年8月30日土曜日

改革クラブ

 参議院の民主党議員三人が離党して、無所属議員二人と新党「改革クラブ」をつくるというニュースが政界を騒がせた。いま、参議院は与野党の数が逆転しており、ねじれ国会と言われている。自民党は、党運営に不満を持つ民主党議員の切り崩しにやっきとなっており、今回の新党さわぎにつながったとされている。

 当然、三人は自民党寄りとされ、すぐにねじれが解消されるわけではないが、次期政権をねらう民主党にとっては大打撃と見られていた。ところが、驚いたことに新党に参加を表明していた民主党の姫井由美子議員が、会見をドタキャンしたのである。その後、新党への参加をとりやめ、民主党議員として政治活動を続けるという記者会見をした。

 これには驚いたが、本当に驚いたのは新党立ち上げに参加した議員たちであろう。なにしろ五人集まらなければ、政党交付金がもらえないからだ。まさに、二階に祭り上げられてはしごをはずされた状態である。とは言っても、渡辺、大江議員らは民主党の比例代表として選ばれた連中である。選挙民を愚弄した行動であるから、彼らに同情の余地はない。

 姫井議員の翻意は、菅副代表らが必死に説得したからと言われている。もともと彼女はなにか政治的信念があって、今回の行動に出たわけではない。先の参院選で、片山虎之助議員に勝って、「姫のトラ退治」としてもてはやされたが、その後は、不倫相手に訴えられたり、その奔放な行動が民主党議員の顰蹙を買っていた。このため、民主党にいても将来はないと判断したうえでの決断だったのであろう。

 いずれ、今回のさわぎは、政治信念のもとに行われたものではなく、みんなが損得勘定で動いた結果である。結局、誰が得したのだろうか。

2008年8月20日水曜日

清原引退

 けがで戦線を長期離脱していたオリックスの清原が復帰した。大リーグを解雇された桑田が清原のバッティング投手を申し出たと聞いて感慨深かった。ふたりが抱えた業の深さを思ったからだ。

 桑田と清原は、PL学園のピッチャーと四番打者として一年生から甲子園で大活躍し、日本中の脚光を浴びた。はやくからプロ入り、しかも、巨人入りを熱望していた清原に対し、桑田は進学を宣言していた。実際に、桑田の早稲田大学進学が新聞でも報じられた。

 体格的に劣る桑田(公称175cmであるが、実際はそれよりも背が低い)は、プロ入りする前に大学でじっくり鍛えたほうがよいという評論家の意見もあった。清原も、桑田の早稲田進学を信じていたはずだ。さらに、巨人はドラフト会議で、清原の一位指名を内々に約束していたという。

 ところが、日本中を驚かす事件がドラフト当日に起きた。なんと、巨人が桑田を一位指名したのである。この時の巨人軍の監督が王貞治である。さらに、驚いたことに、早稲田大学進学を宣言していた桑田が、巨人入りを表明するのである。

 清原は、巨人軍と尊敬していた王監督に裏切られただけではなく、無二の親友にも同時に裏切られたのである。その時の葛藤はいかなるものだったろうか。清原は、人目もなく涙を流してくやしがった。結局、西武ライオンズが清原を獲得することになる。

 このドラフトについては、いろいろな密約説が世間で喧伝された。桑田をどうしても欲しい巨人が、清原と世間を欺いたというのである。真相はいまだに分からない。しかし、この事件が三人のその後の人生に与えた影響は大きかったと思う。今回復帰した清原を徹底的につぶせと王はピッチャーに命じたらしい。

もし、あの時、巨人が清原を指名していたらどうだったろうか。桑田はもっと勝ち星をあげていたのでなかろうか。王は巨人を追われることはなかったのではなかろうか。その清原は今期かぎりの引退を表明した。

2008年8月19日火曜日

オリンピック

アテネほどではないが、日本人選手の活躍にオリンピックが盛り上がっている。女子柔道では、谷本が腰痛をおして金メダルを獲得した。気になったのは、そのコメントである。到着が遅れたために、狭い機内に閉じ込められて腰痛が悪化したというものである。

 実は、オリンピックでは役員はビジネス、選手はエコノミークラスと決まっている。以前、ある役員が家族までファーストクラスに載せて視察に出かけたことが問題になったことがある。

 かつて、トーマスの知り合いがオリンピック候補選手になった。しかし、海外遠征費用はすべて個人持ちである。なんとか息子をオリンピックに送りたい親が借金までして遠征費用を捻出した。残念ながら、彼はオリンピックに出ることはなかった。残ったのは、莫大な借金である。悲惨なことに、それからまもなくして借金で先祖代々続いた店を手放すことになった父親が自殺したのである。

 フィギュアで金メダルを獲得した荒川静香は、日本スケート連盟からは十分な補助がえられず、コーチの旅費も自分で負担していたという。競技用の衣装をお母さんが夜なべして縫っていたという話には驚かされた。

 金メダルをとった時、その横に連盟の有名な女性部長が祝福に来たが、荒川は顔をあわせなかった。それが、すべてを物語っている。その後、この部長は逮捕された。連盟の金で私服を肥やしていたのである。

 国民が望んでいるのは、有望な選手の育成である。どうやら、この国では、その仕組みができていないらしい。

2008年6月27日金曜日

諫早湾のギロチン

 有明海が死んでいる。原因は諫早湾干拓事業による堤防閉め切りである。同海に面する長崎、佐賀、福岡、熊本各県の漁業者ら約2500人が国に堤防の撤去や排水門の開門などを求め訴訟を起こした。その判決が27日、佐賀地裁であった。

 神山隆一裁判長は諫早湾の漁業被害と閉め切りとの因果関係を認め、国に南北排水門の5年間常時開放を命令。中・長期の開門調査をすみやかに実施するよう異例の付言をした。ただし、堤防そのものの撤去については棄却した。

 同事業には約2500億円もの巨費が投じられ3月末に完了したが、税金の無駄遣いもはなはだしい。さらに、環境破壊というおまけまでついた。おろかな政治の見本である。

 この事業に反対をとなえた民主党の菅議員に、地元の自民党議員である松岡議員や江藤議員がかみついていたのを思い出す。「地元のことを知らんやつが、口をはさむんじゃない」と恫喝していたが、その地元の漁民がノーをつきつけたのだ。

 一部の政治家と工事関係者だけが利益をむさぼった事業であったが、口利きをした政治家はふたりとも故人である。誰も責任をとらずに、膨大な借金とあれはてた有明海だけが残った。むなしい。

2008年6月10日火曜日

居酒屋タクシー

 タクシー運転手が、タクシーチケットで帰宅する公務員に車内でビールやつまみを出していたことが問題となっている。いわく、居酒屋タクシーである。

 以前にブログでも書いたが、官僚たちが飲み会が終わったあとに役所に帰るのは、仕事があるためではない。税金を使って、タクシーで自宅まで帰りたいがためである。笑ってしまうのは、大臣たちのコメントである。

「役人は国会答弁などのために残業を強いられている。この現状を打破したい」

 とんでもない。国会答弁はシンクタンクに丸投げである。自分達はいっぱしの批評家になって、政治家と同じ目線でシンクタンクをいじめているだけである。残業を強いられているのは、これらシンクタンクの社員である。

 国民の税金で、毎晩のように、豪勢な料亭で飲み食いしている政治家には、そんな官僚の実態が分かるわけがない。いまや、日本国の借金は国と地方、そして表に出ていない特殊法人の借金を併せると、一千五百兆円と言われている。とてつもない額である。一日の金利支払いだけで五億円である。何もせずに、これだけの金が飛んでいくのだ。

 この話を官僚に話したら、こううそぶいた。「それなら、自分達が浪費している金など、国の借金に比べればはした金だね」と。

2008年6月9日月曜日

SPEEDO社製水着

 これだけ日本新記録ラッシュという明らかな結果が出たのでは、SPEEDO社製水着を解禁せざるをえないだろう。北島にいたっては、不調と伝えられていたにもかかわらず、世界記録まで出してしまった。

 水着がこれだけの差を出すということも驚きである。本来は、何も身につけていないほうが水泳の記録は出ると言われていた。このため、水着の開発はいかに薄く軽い素材を探すかにかかっていた。

 今回のSPEEDO社製の水着「レーザーレーサー」は、この常識を覆したのである。NASAの新素材を利用し、縫い目のない縫合方法を開発した。実は、SPEEDO社はかつてミズノと提携していた。ミズノの協力をえて、SPEEDO社は世界的な水着メーカーに育ったといわれている。しかし、自社での世界戦略をめざしたミズノがその提携を解消したため、SPEEDO社はNASAに助けを求めたのではとされている。

 日本の水着メーカーは何をしていたのかという非難があるが、必ずしも、責められない事情もある。世界水泳連盟の規約に違反すると思われる改良がレーザーレーサーにはあるからだ。例えば、異種の素材を二種以上組み合わせてはいけない。表面にコーティングしてはいけない。浮力が増す素材はいけないなどである。

 ただし、日本企業が英語を正しく理解していなかっただけという指摘もある。とは言っても、ドイツのメーカーであるアディダス社も同様の解釈をしていたというから、規約にあいまいさがあったのは事実なのであろう。

 しかし、この手の戦略的攻防はスポーツの世界にはつきものである。スキージャンプで日本の台頭を危惧した欧州勢が、スキー板の長さを身長で規制するという暴挙に出たことを覚えているだろう。その後、ノルディックスキーで日本選手が活躍することはなくなった。最近では、柔道のルール改正も進んでいるという。

 問題は、このようなルール改正に臨む日本側の対応である。会議に出かけるスポーツ組織の代表は、交渉能力はまったくないうえ、ファーストクラスに乗って、家族同伴で物見遊山で海外に出かけていく。会議では、まともな議論もできず(英語がまったく話せず)、内容も判らずジャパニーズスマイルで改正案に賛成し、日本に帰ってから、その日本語訳を見て驚くという。

 金メダルをとった荒川静香が、その隣にいたスケート連盟の幹部を無視したのを覚えているだろうか。フィギュアスケートに入る金を自分達で山分けして選手には与えていなかったのだ。荒川静香の遠征費は両親が出していたという。衣装もお母さんが夜なべして縫っていたというのだから驚きである。

 今回の事件の背景にも、このような日本のスポーツ界の闇が絡んでいないことを祈るのみである。

2008年6月2日月曜日

日本の医療は大丈夫?

 後期高齢者医療問題が大きな非難を浴びている。「姥捨て山」制度とも言われるこの制度の問題点については多くのマスコミがすでに指摘しているので、あえてこの場で言う必要はないであろう。

 ただ、一方では、日本の健康保険制度がもはや崩壊状態なのも明らかである。なにしろ年間の医療費は30兆円を超えているのだ。国家予算が80兆円の国では異常事態であろう。なんらかの対策を早急にとる必要がある。

 この元凶をつくったのは日本医師会と呼ばれる圧力団体である。多くの議員を団体の利益代弁者として国会に送りこみ、医療行政を牛耳った。その悪業の最たるものは、異常に高い診療報酬である。どんなやぶ医者でも多額の医療費を受け取ることができるシステムをつくった。腕に関係なく高い報酬が得られるとあれば、モラルハザードが起きるのは当然である。しかも、患者に不必要な薬を大量に与えて、多額の医療費を請求し保険制度を崩壊させた。

 そう言えば「医者と見れば泥棒と思え」と言われた時代もあった。それでも、世の親は無理をしてでも子供を医者にしようとやっきになった。裏金、裏口入学、いくら金を使ってもかまわない。子供を医学部に押し込み、医者にさえすれば、すぐに元がとれる。そんな時代があったのだ。裏口入学の相場は5000万円と言われた。

 しかし、そんなバカな事が長く続くわけがない。金は無尽蔵にあるわけではない。結果として、国民の非難を受けて医師会も力を失った。そして、ふと気づいたら、山のようにあった健康保険金は跡形もなく消えてしまった。水がめが多いからと言って、蛇口を開けっ放しにしていたのでは、あっという間に枯れてしまうのは当然である。

 基本に戻ろう。医は仁術である。医者も、そのような人材が求められているのだ。

2008年5月28日水曜日

船場吉兆廃業

 ついに船場吉兆が廃業することになった。当たり前であろう。客が残した食べ物を使い回していたと聞けば客は寄り付かない。しかも、吉兆は高級料理店である。一人当たりの食事代が数万円というのが当たり前である。そんな店が残飯を客に出していたのではしゃれにならない。

 いま、巷で話題になっているのは、他の店も同じことをやっているのではないかという疑いである。かなりの店があやしいというのが一般的な見方である。

 トーマスの父は絶対に店屋物を食べなかった。家族が出前を頼んでも、決して自分は手をつけない。理由は、自分は料理店でアルバイトしたことがあるからだという。その先を聞くのが怖かったが、人が食べる物など気にせずに何でもありという店が多いのかもしれない。

 そういえば、居酒屋でバイトしていた友人が言っていた。床に落とした食材を水道水で洗って客に平気で出していたと。トーマスは最近居酒屋には行かない。禁煙席がないこともその理由であるが、やはり食材に信用がおけないからだ。

2008年5月14日水曜日

四川地震

 中国四川省での大地震で、多大な人的被害が起きた。10万人以上の死者が出ているのではないかという推測もある。なかでも驚くのは、安全であるべき小中学校の崩壊である。本来、学校はもっとも安全であるべき場所である。その証拠に日本では被災した時、地域の学校が避難場所になる。ところが、今回の地震では学校が無残に崩壊し、多くの生徒たちが犠牲になっている。

 実は、中国では、公共工事は金のなる木である。いくらでもごまかせる。特に学校の建設は不正の温床となっているようだ。崩壊した学校を見れば、いかにずさんな工事であったかが分かる。中国では「おから工事」と呼んで、役人によるピンはね、業者による手抜き工事は日常茶飯事らしい。

 しかし、日本は中国を笑えるのであろうか。阪神大震災のときを思い出して欲しい。あの程度の地震では崩壊するはずのない高速道路が跡形もなく壊れた。破壊のあとを見れば、手抜き工事は明らかであった。道路工事に関わる不正があったのである。

 ところが、あれだけ不正工事が見つかったにもかかわらず、誰ひとりとして罰せられることはなかった。ひどい話である。それ以降、建設業者や設計業者はなにをやっても罰せられないと思ったようだ。耐震偽装など日常茶飯事というわけである。そして、姉歯事件は起こるべきして起こった。

 とはいえ、民主主義から程遠い中国で、しかもオリンピックを間近に控えたいま起こった悲劇は、悲劇を助長するであろう。彼らは、自国の恥部が表にでるのを極端に嫌っている。被災者を助けるよりも、それを犠牲にしても自分達のメンツを立てる。それが今の中国のスタンスである。

2008年5月8日木曜日

日本対中国

 中国の胡錦濤国家主席が日本を訪れ、友好外交を演じている。チベット問題で窮地に立たされていることも、異例の友好ムードを醸し出している一因かもしれないが、その真の背景はよく分からない。いまだに初等教育で、日本人がいかに残酷な人種かということを、これでもかと繰り返し教えている現状をみると、とても真の友好ムードが生まれるとは思えない。

 現在、中国が共産党独裁政権であり、言論が厳しく統制されていることから、日本をはじめとして西側諸国は、中国は民主化されていないと非難している。確かに、国家主席が選ばれる過程は不透明であるし、自由に意見が言えないのも確かである。

 しかし、一歩下がって、日本の現状を見たらどうだろうか。日本は中国に比べて本当に立派な国なのであろうか。自民党の独裁政権が50年以上の長期にわたり、それにぶらさがった利権集団に国は牛耳られている。言論も自由ではない。年金、健康保険、道路財源、すべて国民には真の姿は隠され、一部の人間が利権を享受している。まさに中国と同じ構図である。

 中国の国家主席に相当する総理大臣の選出方法も密室で行われている。唯一例外は小泉首相の時であろう。こう見ると、日本は中国を非難できないことが分かる。いや、中国よりも悪いのは、このような状況のもとで、国の借金が1500兆円まで増えてしまったことである。中国は確実に成長している。今後、日本に待っているのは重税国家しかないであろう。

2008年5月6日火曜日

パンダ外交

 東京上野動物園のパンダリンリンが亡くなった。これで日本国籍のパンダはいなくなったことになる。他の8頭のパンダはすべてレンタルである。その費用はつがいでレンタルすれば1億円と言われている。しかも、たとえ子供が生まれても、中国籍となる。

 1972年、田中角栄首相のときに日中国交回復が実現し、その記念にカンカン、ランランが日本に贈られた。つまり、この2頭は日本国籍となったのである。ところが、ワシントン条約成立に伴って絶滅危惧種であるパンダの輸出入が難しくなった。そこで、現在はレンタルという方式をとっている。外貨が欲しい中国の要求ともマッチしているというわけである。

 はじめてパンダが上野公園に来たときには、大変な騒ぎだった。連日、長蛇の列で、あまりの行列に、長時間待っても、肝心のパンダの前をあっという間に通りすぎるしかなかった。それでも珍獣を一目見たさに人は並んだ。「客寄せパンダ」という言葉ができたのは、この騒ぎに由来している。

 中国によるパンダ外交は大きな成功を収めた。つまり、相手国民に中国に対する好印象を与えるのに役立っているのだ。しかし、パンダは中国ではなくチベットの動物だという指摘もある。確かにパンダの生息地は四川省の旧チベット自治区にある*。

 さらに、これだけパンダの数が減ったのは、中国軍がチベットに侵攻し、パンダの生息地を荒らしたためであるという。皮肉な話である。つまり、中国の象徴である動物は、実は、中国軍によって絶滅の危機に瀕したというのだ。

 ただし、中国のチベット侵攻は、まさに日本軍の満州侵攻と同じ構図であり、日本は中国を非難できないという指摘もある。

* パンダはかつて広く中国全土に生息していたという説もある。森林伐採などによって消滅し、開発の進んでいなかったチベットで生き残ったのではないかとも言われている。

2008年5月4日日曜日

聖火リレー

 チベット問題に端を発する中国批判が聖火リレーに向かっている。各地でリレー阻止の動きがある。いままで報道が規制されてきたチベットを含む中国の人種問題を顕在化したいというのが人権擁護派の目的のひとつのようである。

 しかし、これに対し、世界各地の中国人留学生などが反発し、愛国心の名の下にリレーを守ろうと団結している。中国政府は、この動きを陽動し、歓迎しているのかと思ったら、必ずしもそうではないらしい。

 純粋な愛国心は、組織が巨大化すると、政府批判につながりかねないからだ。いままでは、情報操作によって世論をあやつってきたが、世界レベルでは、これは不可能である。中国の実態は、中国の国外でこそ知ることができる。

 例えば、中国は、江沢民時代に日本を徹底的に敵対視する教育を行っていた。いかに日本人が残虐であったかという歴史をこれでもかというくらい教えている。その内容をみると、これほど残酷なものを小学生相手に教えるのかと驚きを禁じえないし、トーマスでさえ読んでいて気分が悪くなるものであった。あれでは、他に情報のない、純粋な中国の小中学生には日本人に対する憎しみしか生まれないであろう。

 中国政府は、日本を仮想敵国とすることで、共産党独裁体制に対する不満を回避する作戦をとったものと思われる。しかし、なにかおかしいと中国の若者は感じている。言論統制があるということを肌で感じているからだ。その証拠に、そのような教育を受けた多くの若者が日本に留学を希望し、実際に来日している。

 平和の祭典オリンピックを主催すると中国が決めた時点で、このような事態になることは、ある程度予測できたはずである。インターネットなどが急速に進展した現代社会では情報統制などできないのである。

2008年5月3日土曜日

金で博士を買う

 横浜市立大学医学部で、学位取得に際して、教授らが学生から金銭を受領したとして問題となっている。金額は、総額で573万円という。この話を聞いて、「たったの?」というのが正直な感想である。

 実は、今回の問題は、博士課程の学生を対象にしたものである。しかし、問題は論文博士のほうにある。論文博士という制度は、博士課程に通わなくとも、博士論文を提出して認められれば博士号を取得できるという日本独特の制度である。

 個人の開業医の看板に大きく医学博士○○と書かれているのを良く見るだろう。一度も研究したことのない医者がどうやって論文を書いたのだろうと疑問であるが、実は、これには裏がある。丸投げなのである。つまり、開業医はいっさい論文に関わる研究をすることなく、金で学位を買うのである。相場は500万円以上とされている。

 それでは、誰が論文を書くか。その医学講座の助教授や助手である。彼らは、自分達の将来を教授に握られているので逃げようがないのだ。一方、教授は税金のかからない金が入るので、手軽に論文の代筆を引き受ける。

 ある地方大学での話である。欲ボケ教授が学位論文を6報も引き受けてしまった。それをまかされた助教授はたまらない。毎晩、深夜まで研究を続けた。そして、ついには過労死してしまったのである。遺族は、教授を訴えることも考えたが、残された家族の将来を考えて断念したという。裁判で闘っても、負けてしまうというのである。なにしろ、引き受けた教授も、論文を依頼した町医者も本当のことを言わないからである。

2008年4月26日土曜日

ODAの闇

 政府開発援助(Official Development Assistance: ODA)とは先進国が発展途上国を支援するために、無償あるいは有償で資金を与える制度である。日本は毎年一兆円程度の血税を投入している。税金の使い道として、国民からもっとも非難の大きいものであり、そのせいか2007年度は減っている。しかし、巨額な無駄であることには変わりがない。

 ODAの問題は、多額の税金を使っているにも関らず、援助を受ける側の国民が日本に感謝していないという点であろう。当たり前である。国民のためになっていないからである。その国の一部の政治家のふところを温め、あるいは、還流して日本の企業、政治家、ブローカーが多額の金をせしめている。いったん、他国がからむと資金のゆくえが不透明になるため、やりたい放題なのである。

 その闇の一端が暴かれたのが、今回のPCI社の不正流用である。これは、社会党の村山首相のときに中国の要求を丸呑みし、日本軍が中国本土に残した化学兵器の処理を日本政府の金で行うと約束したことに端を発する。日本はポツダム宣言を受託し、保有していた武器を中国にすべて明け渡した。その時点で、管理は中国側に移ったはずなのだが、その管理を放置したあげく、処理に困って日本に泣きついてきたのである。

 しかし、処理をするといっても簡単ではない。兵器がどのような状況になっているのかを把握し、さらに、適切な処理方法も考えなければならない。そのためには中国の人民軍の協力が不可欠である。役人が、そんな面倒くさいことをするわけがない。そこで、登場するのがブローカーのPCI社である。もちろん、多額の金が、中国側、日本側のいろいろな人間に渡っていたのであろう。PCI社だけが悪いのではない。

 かつて、日本のODAの評判が悪いということで、ある企業の方と一緒に、水質汚染のはげしい東南アジアに水浄化装置を送ろうと提唱したことがある。しかし、すぐに企業の上層部から待ったがかかった。ODAは利権の巣窟である。それを脅かす一派があれば、どんな手段を使っても排除する連中が大勢いるのだという。本当に闇の世界である。

2008年4月24日木曜日

これって横領?

 トーマスがかつて働いていた研究所での話である。この研究所には、所管官庁から天下りが専務理事となって送られてきた。いずれ、役に立たない人間ばかりであったが、官庁に予算を握られているので、どうしようもない。

 ある専務理事は、海外出張と称して、ファーストクラスと一流ホテルを使い、海外のお友達とゴルフ三昧の旅をしていた。本人は海外視察と称していたが、彼が海外に行ってもなんの意味はない。この手の海外旅行は、天下りが得意とするところである。

 この専務理事、なにを思ったか、研究所の若手と飲み会を持った。そこで、滔々と世間は甘くないという話をしたらしい。専務のおごりだから仕方がないと若手は思って、くだらない話に我慢していたが、なんと、清算の段になって、この専務、今日は割り勘とのたもうた。ただ酒だったらしょうがないとバカな話を聞いていた連中も、ここで頭にきたらしいが、確かにおごるとは言われていない。渋々、みんなが飲み代を払った。

 ところが、こっそり若手が見ていると、この専務は、店から領収書をもらっていたそうだ。そして、後日、若手との懇談と称して研究所にその金を請求したのだ。情けない。ただでさえ給料の安い連中の支払いをピンはねしたのである。

 最近、官僚の不祥事がやまのように報道されている。しかし、その陰で、報道されない不正がいくらあるのだろうか。暗澹たる気持ちにならざるをえない。

2008年4月21日月曜日

タクシー券

 道路特定財源から国土交通省の役人が無尽蔵にタクシー券を使っている問題がクローズアップされている。しかも、同じ帰宅路なのに、日によって2倍以上も請求額が異なるという。

 かつて、ある省庁の役人と飲んだ時「いまは国会中だから役所に帰ります」と言って深夜に霞ヶ関に戻ったのをみて、いたく感心したことを覚えている。やはり、役人は身を粉にしてお国のために働いているのだと思った。普段の発言を聞いて、役人はどうしようもないなと思っていたので、そんな自分を恥じたことがある。

 ところが、この話を、あるシンクタンクの知人にすると、苦々しくこう応えた。「あいつら、仕事のために帰っているのではありませんよ」と。役所で少し休んで、終電がなくなる時間になったらタクシーで帰るのだという。つまり、自宅までタクシー券で帰るために、役所に顔を出すのだという。

 さらに、友人は、驚くべき話をした。キャリア官僚の重要な仕事のひとつは、ばかな大臣のために国会答弁を用意することだと言われている。そのため、国会開会中は、深夜まで役所に待機していると思っていた。ところが、国会答弁は、シンクタンクに丸投げで、彼らは、それをチェックするだけだというのだ。しかも、官僚の思惑で何度も書き換えさせられるので、シンクタンクの職員には身体をこわすものが続出だという。

 確かに、天下り先の公益法人も、省庁から随意契約で受けた業務を3割ほどピンはねして下請けに丸投げしている。国会答弁も同じ構図なのだろう。

2008年4月20日日曜日

大変だろうな

 人の皮膚から万能細胞の合成に成功したことで一躍世の中の脚光を浴びた京都大学の山中教授であるが、相当なプレッシャーだろうなと気の毒に思う。似たようなことを過去に経験しているのでよく分かる。

 世界に誇れる研究成果だということで、政府機関がこぞって予算をつけた。年度途中の異例の措置である。何とか、おこぼれに預かろうとする連中も擦り寄ってきて、いっきに巨大な組織を束ねることになった。

 いままでは、気心の知れた仲間で研究を進めることができたが、これからは有象無象の野心のかたまりのような連中とも伍していかなければならない。当然、足を引っ張るもの、抜け駆けするものも出てくる。

 さらにプレッシャーをかけるのは金を出した役人たちである。彼らは気が短い。多額の予算をつけたならば、翌日には成果が出ると思い込んでいる。しかし、研究環境を整備するだけで一年はかかる。それから研究にかかるのだ。本当の成果が出るのは、その先である。ところが、毎日のように「先生成果がでましたか」と聞いてくる。

 今回の研究が厳しいのは、不治の病に苦しんでいる患者や家族に希望を与えたことである。治療に利用するには、まだまだ数多くのハードルがある。近日中に成果が出なければ、バッシングに会う虞れもある。

 山中教授は、臨床医師であった。難病に苦しむ患者をみて、それを直したいという思いで、研究の道に進んだという。そんないい人をつぶしてはならない。健闘を祈るのみである。

2008年4月6日日曜日

ねじれ国会

 マスコミの論調によると、参院で民主党が勝利したために、国会運営がねじれ、行政が停滞しているのだという。また、暫定税率の延長が認められなかったために、地方の道路工事が止まり、福祉にも影響が出ていると伝えている。

 しかし、参院で野党が過半数をとったおかげで、いままで闇に閉ざされていた部分が表に出てきたのではないか。いかに社会保険庁がひどい役所であり、年金行政がでたらめであったことも明らかになった。与党は150年安心できる年金制度と豪語していたのである。

 道路特定財源も同様である。本来、道路に使うべき金を天下り組織に垂れ流してきた。そして、その組織を還流して道路族と呼ばれる政治家にも金が渡っていた。自民党が勝利していたら、今後、10年間税金が食われ続けていただろう。

 いまの大きな期待は、200兆円という巨額の特定財源が何に使われているかを明らかにすることである。その金を有効に使えば、日本の社会が変わる可能性もある。

2008年4月1日火曜日

国歌斉唱

 トーマスがアメリカの高校に通っていた頃の話である。その高校は公立だったので、いろいろな人種、いろいろな成績の生徒が通ってきていた。必修科目が国語、社会、体育ぐらいだったので、バイトに明け暮れるものも多かった。不良グループもいて、あまり環境がよいとは言えなかったと思う。(危険ではなかったが)
 しかし、その高校でひとつ感心したことがある。朝の国家斉唱である。全員が起立し、国旗に向かって居住まいを正し、国家 (national anthem) を斉唱するのである。面白いのは、不良グループに属している連中も、かぶっていた帽子を脱いで、胸にいだき直立の姿勢で国歌を斉唱する。毎朝である。
 アメリカは多民族国家であり、国をまとめるためには愛国心を植えつけるのが重要なのだという。その一環として、国旗と国歌に敬意を払うことを小さい頃から刷り込まれるらしい。
 自国を愛する。それが基本ではないか。今春の卒業式で「君が代」斉唱時に起立しなかったり、退席した都の教員が20人もいたらしい。教師に同調する生徒もいたという。
 確かに「君が代」を国歌とすることには議論があろう。しかし、だからと言って、多くのひとが国家斉唱する時に、それを拒否し、あまつさえ生徒にも、それをすすめる。これが教育だろうか。

2008年3月23日日曜日

新銀行東京

 どうやら都議会は400億円の追加融資に賛成するようだ。銀行がつぶれたら、融資先や預金者に迷惑がかかるというのが、その理由という。苦渋の決断であるとも言っている。

 しかし、この銀行ができたとき、都議の口利きでただ同然の融資を受けた不届き者が多いと聞く。要は、身内を助けたいというだけの話である。しかも、たとえ融資先がつぶれたとしても都が後始末をしてくれるということから、詐欺まがいの融資も横行したという。つまり、借りるだけ借りて踏み倒すという強引な手法である。おそらく闇社会にも相当な金が流れているはずである。

 知事と都議会議員、さらに都庁の役人がよってたかって税金を食いものにした。それが新銀行東京の真の姿であろう。追加融資の400億円は、自分達の身内の金を保護するためだけのものである。すべて闇に消える運命にある。

 もちろん、全員が悪人だったわけではない。新銀行のやり方に苦言を呈した銀行マンもいたと聞く。ところが、そういう人間は、反逆者としてすべてクビにされたという。

2008年3月20日木曜日

道路特定財源

前回のブログで、道路特定財源がいかに官僚に食い物にされているかを書いた。政治家も地方の首長もそれを知っていながら、自分達の利権のために無視している。ブログでは書かなかったが、無視している連中にはマスコミも入っていた。

 道路特定財源に限らず、すべての特別会計は同じような状態にある。不必要な天下り団体をやまのようにつくり、人件費を手当てするためだけに、益のない業務を委託している。

 今回、驚いたのは、その悪行をマスコミが暴きだしたということである。その背景が実はつかめない。政治的力学がどこかで働いたとしか思えない。一説には、小泉さんが裏で動いたという話もある。真実は分からないが、いずれ、理不尽なことが一部でも明らかになったことは喜ばしい。

 ただし、影で暗躍している政治家の名前が出てこないのは不思議だ。もしかしたら、裏取引があったのだろうか。

2008年2月19日火曜日

官僚のいいなり

 道路特定財源の問題を含めて、国土交通大臣の発言が何かと物議をかもしている。まさに官僚の代弁者を自認し、迷走発言を国会で繰り返している。情けない。公明党としてもいい迷惑ではないのか。

 野党の追求で明らかになった国土交通省のデタラメぶりには驚かされる。道路特定財源で、自分たちの宿舎を建てたり、カラオケセットやマッサージチェアを購入する。体質は社会保険庁と同じである。

 しかし、これらは氷山の一角である。むしろ、税金の使われ方としてはまともなほうであろう。不必要な法人をつくり、役人の天下りと政治家への献金。まさに、政官で税金を食い物にしているのである。

 情けないのは、地方の首長たちである。彼らは、実態を知っているが、道路工事が欲しいので、国民には事実を隠したまま、国土交通省に擦り寄っている。しかし、これでは、世界から日本は見放される。外国人投資家の日本売りが加速されるであろう。

2008年2月6日水曜日

博士の数を減らす?

 政府の総合科学技術会議の有識者が大学院博士課程の定員を削減するよう提案したという。数を増やしたはいいが、質的充実が追いついていないという指摘である。

 この背景には、博士の就職難がある。2007年に博士号をとった人間は1万6000人もいる。ところが、その大部分が定職につけない状態だという。なにしろ、毎年、この数だけの博士が増えるのだ。しかもポストは限られている。

 提言では博士課程の現状について「人材の国際的循環から疎外されている」ともある。しかし、これは、むしろ日本の大学の教員組織の問題であろう。再就職先がないという理由で定年年齢を引き上げている国立大学もある。これでは、若手にチャンスがまわってこない。
ただし、博士号をとった人材を無駄にしているというのは社会問題として認識されつつある。企業が採用枠を拡大していると聞いた。あとは、博士取得者がアカデミックポスト以外にどれだけ進むかが重要となろう。

2008年1月31日木曜日

道路特定財源

 今回の国会をガソリン国会と命名しているひともいる。自民党はガソリンにかけられている道路特定財源にかかわる暫定税を維持したい。一方、民主党はガソリンが高騰しているので、それを廃止したい。

 地方の多くは道路特定財源がなくなったら道路がつくれないと自民党に味方している。一方、多くの消費者は余計な税金はできれば安くしてほしいので、民主党を支持するひとも居る。

 しかし、今回の戦いの裏には、特別会計という闇と、自民党の利権があるということを忘れてはならない。いわゆる道路族と呼ばれる国会議員が自民党には大勢居る。国土交通省の役人と一緒になって道路特定財源を食い物にしているのだ。

 手口は簡単である。道路特定財源をはじめとする特別会計は国会の審議をほとんど受けずに交付される。それだけに、国会議員と役人にとってはおいしい予算である。この予算を使って数多くの天下り組織をつくり、多額の補助金を交付したうえで、道路族にキックバックしている。

 例えば、この財源で全国に駐車場をつくり、それを管理する天下り財団をつくる。そこに役人が大挙して天下り、税金を食い物にしている。そして、驚くことに駐車場から挙がる収益を全部懐にいれているのである

 本来は国庫に入るべき金である。そのからくりも知ってか知らずか、地方自治体の首長たちは、道路欲しさに悪に媚びる。情けない。

2008年1月28日月曜日

大阪府知事選

 大阪府知事選は、橋下徹氏の圧勝に終わった。当初、橋下氏の立候補を聞いたときには、まず受からないだろうと思っていた。自民党と公明党の支持を受けるということにも違和感を覚えた。彼の支持者はおそらく野党が多いと思われたからだ。

 ライバルの民主党が推した候補者には少し驚いた。理系の元大阪大学教授である。それを聞いて肩書きは面白いと思った。新聞やテレビも大阪のガリレオなどと呼んで持ち上げた。

 ところが、マスコミに登場した彼を見て落胆した。まず、言っていることが意味不明である。何を言いたいのかが分からない。しかも、肝心の話に行くまで、だらだらと回り道する。典型的なダメ教授のパターンである。

 候補者がそろってテレビ討論したときには差が歴然としていた。司会者の質問に的確に応えていた橋下氏に対し、民主党候補はピントがずれているうえ、話が長く、司会者からも本論に入るようにしばしば注意を受けていた。

 さらに、全体構想である。橋下氏が大阪の財政の惨状を訴え、その再建を訴えているのに対し、大阪のガリレオは有望企業を誘致あるいは起業して活性化をはかるという。討論会を聞き終わったコメンテーターが推薦を受ける党をふたりとも間違えたのではと言っていたが、同感である。

 橋下氏は知名度を利用して当選したと評するマスコミが多いが、それは違うと思う。その政策や話をきけば歴然とした差があった。憂鬱なのは、理系の大学教授がどうしようもないという印象を多くの国民が持ってしまったことだろうか。

2008年1月21日月曜日

自治体破産?

 財政再建団体に指定される自治体が今後かなり増えるという。企業でいえば、いわば破産状態のことだ。夕張市の破綻はあまりにも有名である。成人式を支援する金もなくなり、全国からの有志からの寄付金でなんとか糊塗をしのいだ。

 危機に瀕しているのは夕張市だけではない。大阪府でさえもあぶない。とは言っても自業自得ではある。湯水のごとく税金を浪費し、関連団体にはムダ金を垂れ流す。しかも天下りの府知事の経済観念はゼロで、自分の懐を肥やすことだけに傾注している。ただし、こんな自治体は日本中にあふれている。

 これら自治体に働く地方公務員を国の役人は無能と批判する。ちょっと待てと言いたい。あなた方にそんなことを言う資格はあるのか。

 財政再建団体の条件は、都道府県の場合、その赤字額が財政規模の5%、市区町村の場合には20%を超えた状態と言う。たったそれだけという感がある。日本の税収は年間約43兆円である。ところが借金は800兆円もある。とっくに破綻している。にもかかわらず80兆円もの予算を組んでいる。ということは、日本はとっくに財政再建団体なのだ。いや、もはや再生不能である。

 つい最近、不愉快な話を聞いた。天下りを擁する財団法人に補正予算が10億円もついたというのだ。これだけ借金にあえでいるというのに、なんと言うことだろう。しかも、この団体、使うあてがないという。

 無駄使いがないと自民党は言う。とんでもない。実情を知っている人間から言わせてもらう。国の予算は無駄使いのオンパレードである。しかし、政治家には与党も野党も含めてそれを是正することはできないだろう。すべてが利権社会だからである。

2008年1月18日金曜日

古紙偽装?

いつでも政治家と官僚がやることは間が抜けている。環境問題が、その最たるものであろう。科学的検証がないまま、雰囲気で法律をつくる。迷惑するのはメーカーだ。森林を守るために古紙を再利用しよう。その趣旨はよい。しかし、実態を知らない。

2001年に「グリーン購入法」が制定されて、環境庁(当時)が中心となって環境に配慮する製品を使用するよう自治体や企業に促した。例えばコピー用紙などでは、「古紙100%の再生紙の使用」を推奨している。

そして、官庁に納入する紙の古紙の割合を指定した。実際には、古紙は簡単には再利用できない。しかも、無理にそれを推し進めようとすれば、加工工程が複雑となりコストもかかるし、余計にCO2を排出する。

企業にとってはたまったものではない。古紙を100%利用すれば環境にやさしいなどということは偽善である。事情にくわしいものなら、みな知っている、古紙をいたずらに使うことは環境にだってよくないのだ。

しかし、本当のことを役所に言っても無駄である。彼らにとって、環境がどうならうと関係ない。自分たちの保身がすべてである。いまさら、自分たちが作った法律が間違いだったと認めることは決してない。

 偽装は偽装である。しかし、今回の製紙会社の偽装は、船場吉兆やミートホープの偽装とは違うということだけは言っておきたい。

2008年1月13日日曜日

株安が止まらない

 悲惨としかいいようがない。日本とアメリカの株安である。アメリカはサブプライムローン問題が陰を落としているが、日本の株安は明らかに日本売りである。ところが、日本の政治家には、その認識がないようだ。旧態依然としたバラマキをして、自分の政治生命をつなぐことしか頭にないのであろう。

 しかし、その政策のために日本の借金は爆発的に膨らんでいる。ある財界人が「日本は断崖絶壁に向かって加速している」と言ったが、まさにその通りである。国民にも責任がある。そんな政治家を選んでいるからだ。

 この状況をたとえるとこうなる。選挙民は、国会議員から100円恵んでもらう。それで得した気分になっているが、陰では10000円もの借金が増えているのだ。それでも金をくれる議員に投票する。

2008年1月12日土曜日

原油高

 原油の値段が異常に高くなっている。1バレル100ドルというのだから驚きだ。一年で倍以上になっている。これでは、原油に頼っている企業はやっていけない。すでに廃業を決めている中小企業も多いと聞く。

 原油高の一因に、日本の政治の停滞があるというのだから皮肉な話である。株式市場では、日本の将来に対する失望から、株安が続いている。そして、株に魅力がないため、投機筋が原油先物市場に資金を移しているというのだ。株価の上昇は、見込めないが、原油は確実に値上がりするということだろう。

 しかし、これはチキンレースである。原油が高くなりすぎると、原油の買い控えが起こる可能性があるからだ。外国人投資家の読みは、インドや中国での需要は今後も急拡大するということなのかもしれない。

 ただし、原油高がすべて悪いというわけではない。かつて石油危機が叫ばれたとき、日本の企業は省エネ技術の開発に真剣に取り組んだ。おかげで、日本の技術は世界最高といわれている。

 さらに言えば、国民の意識変革である。まわりを見渡せば、明らかに燃費の悪そうな大型カーが売れている。家族全員で遠出がしたいということらしいが、省エネという言葉がむなしくなる時がある。ガソリンの値段が上がれば、できるだけ消費を抑える工夫をするようになるだろう。われわれの意識も変化するというわけである。

2008年1月6日日曜日

議員報酬を時給に

 久々にいい話を聞いた。議員報酬を時給にした自治体があるというのだ。議会に出席した議員に時給を払うという画期的なものだ。

もちろん、交付税がカットされ、いままでのようにお手盛りの給与が払えなくなったという背景はあるのだろうが、大胆な変革である。この案を議会で可決したというのだから、賛成した議員たちにも拍手を送りたい。

 国会議員も、この地方の改革を手本にすべきであろう。国が借金にあえいでいるのに、ひとりあたり3億円もの税金を毎年使っている。しかも、その仕事は、一部の人間に利益誘導するためだけのもので天下国家を論ずるものではない。

 国会議員も含め日本全体の議員報酬を時給にする。そして、その仕事の主なものを予算と決算の審議とする。そうすれば、どれだけ国の借金が減るであろうか。なにより金儲けのために議員になろうとする人間は確実に減るであろう。

2008年1月5日土曜日

日本売り

 大発会で株価が大幅に下落した。アメリカの株安を反映したと言われているが、アジア諸国では株価が上昇している。

 日本の株式市場は外国人投資家が支えている。その日本売りが始まったと見るのが正しいだろう。小泉政権で始まった改革は、安部政権に受け継がれたと見られていたが、官僚の陰謀で安部さんは失脚した。福田政権は、明らかに官僚の言いなりである。

 独立行政法人の改革失敗にみられるように、かつての自民党政治の復活である。ばら撒きも始まった。赤字国債も垂れ流しで、今後も日本の借金は増え続けるであろう。

 もちろん、改革には痛みが伴う。それで損をする人間も多い。利権を失う官僚や政治家、それにぶらさがっている連中は、なんとしてでも改革の足を引っ張りたい。しかし、海外から見れば、それは日本崩壊への序章でしかない。