2009年2月5日木曜日

丸投げ

 いま公務員の天下りが問題になっている。何十年も前から指摘されながら、一向に是正される気配はない。むしろ、増えているのが現状であろう。

 安い給料で働かされても公務員が我慢できるのは、いずれおいしい天下りが待っているからだという。そのため、天下りをなくしたら、優秀な人材が公務員にならないという意見もある。

 しかし、一方で、1000兆円と言われる国の借金をつくった元凶は、天下りであることも確かである。天下るためだけにつくられた法人は数え切れないほどある。

 ある財団法人は役員が10人以上いるが、実際の事務所は狭いワンルームで、働いているひとはノンキャリ出身のただ1人というところであった。ここに国から20億円近い補助金が支出されているが、この法人は、その一割をピンはねして、あとは100%民間企業に丸投げしているのである。

 結局、ピンはねした金は役員の高額な報酬と、交際費などに消えていく。似たような法人はやまのようにある。これでは、国の借金は膨れ上がるばかりである。

 誰かが真剣になって、この悪弊をとめなければ、日本は確実に沈没してしまうだろう。利権にどっぷり浸かった自民党に、それができないことは確かであるが。

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