2010年1月30日土曜日

厚生労働省局長逮捕の怪

新聞報道や雑誌報道を見て驚いた。障害者団体証明書を偽造した郵便不正事件における厚生労働省村木局長の逮捕の件である。完全な冤罪ではないか。本人は最初から事件の関与を否定していたし、まわりの関係者も、村木さんが便宜を図っても何のメリットもないのに、指示するはずがないと思っていたようだ。

 偽造に関わった元係長が、逮捕時には、自分独りでやったと証言したものを、その後、検察の捜査で、当時の上司の村木局長(当時課長)の指示でやったと証言を変えたのである。民主党の大物議員の指示であったということも報道され、政局がらみの大事件になると思われた。

 マスコミもこぞって、高級官僚の不正を糾弾した。エリート官僚がなぜ、こんな事件を起こしたか、その背景をまことしやかに解説するものもいた。しかし、すべて嘘ではないか。

 問題は、この事件をでっちあげた検察である。当時、民主党は検察と警察の改革を訴えていた。その裏金問題にもきびしく対処する姿勢を見せていた。それに対する牽制のつもりかもしれないが、あまりにもひどすぎる。村木局長の名誉が早期に回復することを祈っている。

さらに、マスコミは知らぬ存ぜぬを通している。テレビであからさまな非難を口にしていた司会者も、この問題を取り上げようとしない。こんな事件をでっちあげた検察関係者こそ糾弾されるべきであろう。

2010年1月24日日曜日

日本航空の不幸

 かつて、学生の就職希望ランキングで常に上位を占めていたのが日本航空であった。高給が保証され、一生安泰というのが学生のイメージだったのではないだろうか。日本を代表する航空会社であり、国事には、必ずJALが使われていた。つぶれることなど考えられない超優良企業であったはずだ。

 しかし、絶対つぶれないと思われていた日本航空が会社更生法の適用を申請した。去年はボーナスさえも払われなかったという。社員にとっては、こんなはずではなかったという思いが強いのではないか。

 さらに、日本航空だけに破綻の責任を負わせるのはどうであろうか。赤字になっている地方路線を廃止したいとアナウンスしただけで、地方議員や首長が陳情に出かけ、いざ本決まりになると罵倒する。これでは、普通の企業のような再生はできない。

 アメリカの言うがままに、政治案件で、ジャンボジェットを無理に買わされてきた経緯もある。今回の倒産が、日本の航空行政改革のきっかけとなり、JALが再生することを願わずにはいられない。

2010年1月10日日曜日

優柔不断?

 普天間基地移転問題で、鳩山首相に対する非難が高まっている。首相の指導力で決着をつける問題であるとされており、日本政府の迷走ぶりに対してアメリカの不満も高まっていると報道されている。

 ここで、問題をふたつ整理しておきたい。まず、根本問題として普天間基地移転は、民主党が社民党と連立を組んだ時点で、解がないという事実である。社民党は、沖縄県外への移転、特にグアム移転を主張しており、党として譲る気配がない。もし、主張が通らなければ連立離脱も辞さないと強気である。

 連立を組まなければ、参議院において過半数をとれない民主党にとっては、社民党を現時点で切ることはできない。結論を先延ばしすることしかできないのである。つまり、もともと次期参院選において単独過半数をとらない限り、解決不能な問題なのである。

 おそらく、参院選で勝利すれば、社民党に対し独自の案を提示し、その譲歩を求めることができる。ただし、参院選で負ければ、政治は混乱するであろう。これは、誰もが分かっていることである。

 もちろん、アメリカ側も、この事情は理解しているはずである。それにも関わらず、鳩山政権に対する批判めいたコメントが出されるのは、裏の事情がある。さらに、「アメリカはこう言っている」という時の主人公が不明である。日本の政治を見れば分かるが、日本側にもいろいろな意見がある。アメリカも一枚岩ではない。それをマスコミが、あたかもアメリカ全体が日本政府の対応を非難しているように報道するのは、問題であろう。

 アメリカが危惧しているのは、日本政府がアメリカ軍支援のための予算を大幅カットすることである。思いやり予算しかりである。仕分けの対象になってしまった。米軍が駐留している国は世界に数多くあるが、これだけ巨額の予算でサポートしているのは日本だけである。それを減らされるのは困る。これがアメリカの本音であろう。これに対しては、与党野党を超えて一致団結するはずである。

2010年1月9日土曜日

特別会計にメス?

 菅副総理が財務大臣に就任した。その就任演説で、「隗より始めよ」ということで、財務省が抱えている特別会計にメスを入れるという。すでに事務方に調査を依頼したと聞く。大いに期待したい。

 一般予算よりも巨額の特別会計が100兆円以上ある。しかも、その実態が国会で議論されないというから驚きである。既得権益や、ムダな公共事業の温床となっている闇である。茨城空港の建設など、その際たるものであろう。

 しかし、官僚側の反発は相当なものであろう。なにしろ、自分たちの自由にできた裏の財布である。過去にも、特別会計にメスを入れようとした多くの政治家が官僚やマスコミのわなにはまり失脚している。それを防ぐためにも、情報をしっかりと国民に明らかにしていくことが重要である。