2010年4月25日日曜日

電気自動車はエコ?

 いま、電気自動車が大きな注目を集めている。まったくCO2を放出しない究極のエコ自動車という触れ込みである。その開発競争のために、自動車業界の再編も始まっている。ガソリン自動車からハイブリッドへ、そして究極の電気自動車へという変革が世界の潮流と言われており、多くの自動車メーカーも開発を急ピッチで進めている。

 しかし、ハイブリッドから電気自動車への転換は、コペルニクス転回と呼べるくらいの大転換ということに注視すべきであろう。なぜか。それはガソリンを使わないということが、自動車の使い方を根本から変えるという事実である。

 携帯電話を使っていれば分かるが、どんなに高性能電池であっても長時間は持たない。結局、夜寝ている間に充電して次の日に備える。うっかり充電を忘れると、次の日はすぐに携帯が使えなくなる。コンビニに電池式の充電器が売ってあるので急場はしのげるが、自動車ではそうはいかない。

 もし電池が空になれば、巨大な金属の塊を放置するしかない。ガソリンであれば数分で満タンにできるが、電池ではチャージに長時間かかる。ガソリンスタンドの代わりの電池スタンドは長蛇の列になるであろう。それに、充電のためにスタンドで数時間も待たされたのではたまらない。

 これに対し、電気自動車は自宅で充電できるから、夜をかけて充電しておけばよいとか、電池スタンドに、充電された電池を置いて、電池ごと交換すればよいという提案もある。しかし、電池は放置しておけば放電してしまう。そんなに大容量の電池をストックしておくことはできない。

 ハイブリッド車はガソリンと併用しているので、いざとなったらガソリンが使える。それが大きな違いである。さらに、電気はエコと言うが、それは電池で走っている間だけの話である。電池の製造や電気を発電する際に発生する大量のCO2や、すぐに消耗してしまう電池の寿命のことが考慮されていない。

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