2010年5月2日日曜日

ギリシャ破綻

 ギリシャの人口は1100万人程度で、日本の約1/10の規模である。今回、その国家財政が破綻し、世界的な問題となっている。ギリシャは、観光立国で有名な国である。その国民総生産の7割以上が観光に頼っているという。世界中から観光客が集まり、そのおかげで、国家財政が成り立っていたのである。

 何も生産していなくとも、その歴史や世界遺産、そしてエーゲ海などの自然を売り物にして国家が成り立っていたのであるから、ある一面では幸せだったのだろう。しかし、経済がおかしくなれば、ひとびとは節約する。観光旅行などの贅沢をカットするのが自然である。国家収入が急減するのは当たり前である。

 しかも観光に頼っているため、あまり働かなくとも収入がある。その結果、やたらと公務員が増え、その平均年収も高かったらしい。さらに、58歳から年金ももらえる。これでは、財政が破綻するのが当たり前である。

 イタリアにはふたつの国があると言われている。工業などの生産を頼りにしているミラノを中心とする北と、ナポリなど地中海の自然を売り物にした観光中心の南である。南では働かなくとも観光で食えるため、ゆったりとした時間が流れる。彼らはまったく時間を守らないと北のひとたちは怒っていた。ギリシャの破綻を聞いて、ふと、そのことを思い出した。

0 件のコメント: