2008年2月6日水曜日

博士の数を減らす?

 政府の総合科学技術会議の有識者が大学院博士課程の定員を削減するよう提案したという。数を増やしたはいいが、質的充実が追いついていないという指摘である。

 この背景には、博士の就職難がある。2007年に博士号をとった人間は1万6000人もいる。ところが、その大部分が定職につけない状態だという。なにしろ、毎年、この数だけの博士が増えるのだ。しかもポストは限られている。

 提言では博士課程の現状について「人材の国際的循環から疎外されている」ともある。しかし、これは、むしろ日本の大学の教員組織の問題であろう。再就職先がないという理由で定年年齢を引き上げている国立大学もある。これでは、若手にチャンスがまわってこない。
ただし、博士号をとった人材を無駄にしているというのは社会問題として認識されつつある。企業が採用枠を拡大していると聞いた。あとは、博士取得者がアカデミックポスト以外にどれだけ進むかが重要となろう。

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