2008年6月2日月曜日

日本の医療は大丈夫?

 後期高齢者医療問題が大きな非難を浴びている。「姥捨て山」制度とも言われるこの制度の問題点については多くのマスコミがすでに指摘しているので、あえてこの場で言う必要はないであろう。

 ただ、一方では、日本の健康保険制度がもはや崩壊状態なのも明らかである。なにしろ年間の医療費は30兆円を超えているのだ。国家予算が80兆円の国では異常事態であろう。なんらかの対策を早急にとる必要がある。

 この元凶をつくったのは日本医師会と呼ばれる圧力団体である。多くの議員を団体の利益代弁者として国会に送りこみ、医療行政を牛耳った。その悪業の最たるものは、異常に高い診療報酬である。どんなやぶ医者でも多額の医療費を受け取ることができるシステムをつくった。腕に関係なく高い報酬が得られるとあれば、モラルハザードが起きるのは当然である。しかも、患者に不必要な薬を大量に与えて、多額の医療費を請求し保険制度を崩壊させた。

 そう言えば「医者と見れば泥棒と思え」と言われた時代もあった。それでも、世の親は無理をしてでも子供を医者にしようとやっきになった。裏金、裏口入学、いくら金を使ってもかまわない。子供を医学部に押し込み、医者にさえすれば、すぐに元がとれる。そんな時代があったのだ。裏口入学の相場は5000万円と言われた。

 しかし、そんなバカな事が長く続くわけがない。金は無尽蔵にあるわけではない。結果として、国民の非難を受けて医師会も力を失った。そして、ふと気づいたら、山のようにあった健康保険金は跡形もなく消えてしまった。水がめが多いからと言って、蛇口を開けっ放しにしていたのでは、あっという間に枯れてしまうのは当然である。

 基本に戻ろう。医は仁術である。医者も、そのような人材が求められているのだ。

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