2010年2月4日木曜日

日航財団

 ニュースで、会社更生法による再建を目指している日本航空の西松前社長が系列の財団の理事長になるという記事が出ていた。無報酬という。西松社長は、米国の大企業のCEOが巨額の報酬をむさぼっている中で、薄給に甘んじ、しかも質素な生活をしているということで、マスコミにも取り上げられた。本人の責任ばかりではないとはいえ、薄給で頑張っていながら会社をつぶしてしまったのでは元の木阿弥であろう。

 しかし、それよりも驚いたのは、危機に瀕している会社が、このような財団を持っていたという事実である。もちろん、大企業はどこでも同じような組織を抱えている。いずれ、整理されていくのだろうが、日本の企業はどうして、こういう財団を持ちたがるのだろうか。理事もほとんどが有名人ばかりである。

 興味があるので、ホームページを覗いてみた。すると、その設立目的につぎのようなことが書かれている。

「航空によってもたらされつつある新たな地球的規模の文明社会(以下「航空文明社会」という)の発展に関する事業、航空文明社会において地球的規模で考え行動できる人材(以下「地球人」という)の育成と交流に関する事業などを通じて、人類の発展と文明との調和を図り、もって豊かで平和な社会の実現に貢献するとともに航空の発展に寄与することを目的とする」

 抽象的でよく分からない。そこで、より具体的な事業を参照すると
1.海外有識者との知識交流等、航空文明社会における地球人の育成と交流を推進する事業2.日本の文化の海外紹介等、国際理解及び国際交流を推進する事業3.航空文明社会の発展を推進するための調査・研究並びにその成果を実現するための事業4.その他この法人の目的を達成するために必要な事業
となっている。

 この財団が、これら使命を果たすかどうかの議論は別として、常勤の理事がふたりおり、その役員報酬が1600万円とある。その他の手当ても出ているのだろう。そう考えると、常勤理事のための財団とも思える。世の中には、このような法人が山のようにある。

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