2010年2月12日金曜日

法科大学院の悲劇

 詐欺と言われても仕方がないであろう。法科大学院のことである。大学によっては、司法試験の合格率がたったの2%である。聞けば、50人受けて1人しか受からなかったという。これでは、何のための法科大学院かは分からない。

 そもそも、法科大学院の修了者の8割以上は司法試験に合格するというのが当初の目論見であったはずだ。そのため、会社を辞めて、学費を借金してまで大学院を目指した社会人もいたと聞く。これでは、人生設計が狂ってしまうだろう。

 合格しなかったのは本人の自己責任と言われれば、それまでではあるが、今の現状はひどすぎる。もともと文科省の制度設計に問題があるし、それに安易に乗った大学の責任もある。司法試験の予備校の教員をそっくりそのまま教授として招聘した大学もあったと聞く。何をかいわんやである。

 大学院というからには、司法試験の予備校であっては困るはずだ。だからと言って、試験対策をおろそかにしていたのでは試験合格は望めない。とは言っても、法学の教授は、司法試験に合格するテクニックなど教えられない。最初から無理な制度であったのである。

 法科大学院に限らず、文科省がやることには首を傾げざるをえない事業が多すぎる。そういえば、ポスドク10000人計画という制度のおかげで、フリーターの博士が増えている。それでいて誰も責任をとらないのだから始末におえない。

 これからは、日本の教育には自己防衛しかない。

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