2008年12月8日月曜日

がんじがらめ

 日本の地方が悲鳴を上げている。景気悪化による経済の低迷が続いているのである。このため、自民党には地方議員からの陳情が後を絶たない。公共事業を持ってきて欲しい。銀行を助けて欲しい。危篤まぎわの患者になんとかカンフル剤をという願いである。

 しかし、地方が疲弊している背景には、根本的な問題が潜んでいることを忘れてはならない。それは、本質的な問題である。

 田中角栄による「日本列島改造論」が世の歓迎をうけ、道路建設をはじめとする地方の改造に多くの税金が使われた。まさに湯水のごとくという表現が正しい。何もせずに、空から仕事が降ってくるのである。まともな仕事をしているのはばかばかしい。

 地方の人間は、農業従事者も含めて、みな土建業に進出した。農家は兼業であるが、もうけは土建から挙げる。見積もりも当然甘くなる。やりたい放題。このため、甘やかされた土建屋は大きく成長し、自民党の強固な支持団体となった。まさに、税金の搾取団体である。

 膨らんだ建設業界からは、多くの地方議員と国会議員も誕生し、圧力団体だけではなく、議員としても、税金を自分達にもってくることに奔走した。まさにやくざ世界である。この結果、日本の企業構造は大きくゆがんでしまった。

 こんなばかなことが続くわけがない。そう理屈で分かっていても、背に腹は変えられない。とにかく、無駄な税金と分かっていてもどぶに捨てるしかない。これが地方行政だ。小泉さんが、これに歯止めをかけると期待していたが、麻生ですべてが潰えた。

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