2009年1月4日日曜日

永田元議員の自殺

 堀江被告と自民党武部幹事長の息子との癒着を示すメールを入手したとして、国会で追及し、それがガセネタだったことが分かり、民主党党首の辞任と、自分自身の国会議員辞任に追い込まれた永田元議員が自殺した。

 なんとも痛ましい事件である。いまだに、彼が誰にはめられたのかが不明である。とは言え、あまりにもおそまつな対応であったことも確かである。まともな人間であれば、メールが偽造であることは簡単に見抜くことができただろう。功を焦ったのだろうか。

 彼は、東大卒で大蔵省に入ったエリート官僚だったと言われているが、少し事情が違う。出身が法学部ではなく、工学部なのである。大蔵省では法学部出身以外はキャリアとはみなされない。決してエリートではなかったのである。

 理系出身ということで、応援していたが、偽造メールに簡単にひっかかったうえ、それでも強硬姿勢を崩さず、玉砕した姿はあまりにもみじめである。理系人間は、文系人間に比べて大局観がないと言われる。それが、理系人間が日本で出世できない理由と言われてきた。

しかし、海外に目を向ければそうでないことは自明である。海外では政府や企業の中枢に理系出身の人間がつくことが多いからだ。あえていえば、日本における理工系の教育が、あまりにも視野が狭いことが背景にあると言える。いわば、専門バカをつくることがよしとされているのである。
 同じように政治家として失脚しながら、しぶとく復活してきた社民党の辻元議員のような人間もいる。永田議員には、それを期待していたのだが、外見とは違って、精神的にも脆かったのかもしれない。いまは冥福を祈るのみである。

1 件のコメント:

山田 豊 さんのコメント...

■永田元民主党衆院議員、飛び降り自殺 偽メールで辞職-政治家に限らず人を育てる人が減ってきた?
http://yutakarlson.blogspot.com/2009/01/blog-post_04.html
明けましておめでとうございます。この事件いろいろ考えさせらせますね。私は、民主党の幹部でも誰でも、もっとこの人を育てようと考える人はいなかったのかと思います。無論育てるといった場合、安っぽい対話とか、自主性がどうの項の程度のものではありません。現在、いわゆる組織で働く学校の先生でも、政治家でも、企業人でも、人を本気で育てようという人が減ってきているような気がしてなりません。永田元議員に対しても、たとえば、このeメールの裏を取り、裏を取りきらずに追及しようとしていた、永田議員を厳しく叱責したり、諌めたりするような人はいなかったのかと、残念に思います。また、結果として辞職することになっても、次の機会を狙わせるとか、もっと度量の広い人はいなかったのかと思ってしまいます。詳細は是非私のブログをご覧になってください。