2008年5月14日水曜日

四川地震

 中国四川省での大地震で、多大な人的被害が起きた。10万人以上の死者が出ているのではないかという推測もある。なかでも驚くのは、安全であるべき小中学校の崩壊である。本来、学校はもっとも安全であるべき場所である。その証拠に日本では被災した時、地域の学校が避難場所になる。ところが、今回の地震では学校が無残に崩壊し、多くの生徒たちが犠牲になっている。

 実は、中国では、公共工事は金のなる木である。いくらでもごまかせる。特に学校の建設は不正の温床となっているようだ。崩壊した学校を見れば、いかにずさんな工事であったかが分かる。中国では「おから工事」と呼んで、役人によるピンはね、業者による手抜き工事は日常茶飯事らしい。

 しかし、日本は中国を笑えるのであろうか。阪神大震災のときを思い出して欲しい。あの程度の地震では崩壊するはずのない高速道路が跡形もなく壊れた。破壊のあとを見れば、手抜き工事は明らかであった。道路工事に関わる不正があったのである。

 ところが、あれだけ不正工事が見つかったにもかかわらず、誰ひとりとして罰せられることはなかった。ひどい話である。それ以降、建設業者や設計業者はなにをやっても罰せられないと思ったようだ。耐震偽装など日常茶飯事というわけである。そして、姉歯事件は起こるべきして起こった。

 とはいえ、民主主義から程遠い中国で、しかもオリンピックを間近に控えたいま起こった悲劇は、悲劇を助長するであろう。彼らは、自国の恥部が表にでるのを極端に嫌っている。被災者を助けるよりも、それを犠牲にしても自分達のメンツを立てる。それが今の中国のスタンスである。

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