2008年5月3日土曜日

金で博士を買う

 横浜市立大学医学部で、学位取得に際して、教授らが学生から金銭を受領したとして問題となっている。金額は、総額で573万円という。この話を聞いて、「たったの?」というのが正直な感想である。

 実は、今回の問題は、博士課程の学生を対象にしたものである。しかし、問題は論文博士のほうにある。論文博士という制度は、博士課程に通わなくとも、博士論文を提出して認められれば博士号を取得できるという日本独特の制度である。

 個人の開業医の看板に大きく医学博士○○と書かれているのを良く見るだろう。一度も研究したことのない医者がどうやって論文を書いたのだろうと疑問であるが、実は、これには裏がある。丸投げなのである。つまり、開業医はいっさい論文に関わる研究をすることなく、金で学位を買うのである。相場は500万円以上とされている。

 それでは、誰が論文を書くか。その医学講座の助教授や助手である。彼らは、自分達の将来を教授に握られているので逃げようがないのだ。一方、教授は税金のかからない金が入るので、手軽に論文の代筆を引き受ける。

 ある地方大学での話である。欲ボケ教授が学位論文を6報も引き受けてしまった。それをまかされた助教授はたまらない。毎晩、深夜まで研究を続けた。そして、ついには過労死してしまったのである。遺族は、教授を訴えることも考えたが、残された家族の将来を考えて断念したという。裁判で闘っても、負けてしまうというのである。なにしろ、引き受けた教授も、論文を依頼した町医者も本当のことを言わないからである。

0 件のコメント: