2009年11月14日土曜日

再生可能エネルギー

 再生可能エネルギーは英語のrenewable energyの和訳である。しかし、再生可能という言葉は少しニュアンスが違うような気がする。自然に再生される資源をエネルギー源として使うという意味であるが、果たしてそうだろうか。

 再生可能エネルギーの反対語は枯渇性エネルギーで、石油、石炭などの化石エネルギーのように資源として限られたものを指す。その対義語として再生可能エネルギーがあると考えたほうが分かりやすいかもしれない。

 人類は古くから再生可能エネルギーを利用してきている。オランダで有名な風車や、日本でもなじみの水車などが、それにあたる。電気が通っていない山奥では、小型風力発電で電源をとっていた。「北の国から」で主人公の純が裸電球を灯して感激した瞬間を覚えているひとも多いだろう。

 しかし、エネルギーは大量かついっきにつくったほうが効率的である。このため、世界各所で大型発電所が建設された。最初は、水力発電が主流であったが、それが火力、原子力へと変わっていった。そして、電力網も整備され、われわれは、その恩恵に預かっている。

 ところで、水力発電は、再生可能エネルギーのひとつと言われているのに、なぜ、枯渇性エネルギーの火力発電や原子力発電へと変わったのだろうか。その理由のひとつは、ダムは使っているうちに土砂で埋まってしまい、発電能力が低下することである。巨額の費用で建設しても、それが使えなくなるのでは、費用対効果が低くなる。

 いま、再生可能エネルギーとしてもてはやされている風力についても、この点を検討する必要がある。その建設には巨額の予算が使われるが、台風で破壊され放置された無残な姿を見たことがある。時々刻々と変わる風の向きや強さに対応するのは難しいし、発電機そのものの寿命も必ずやってくる。
エネルギー問題については、長期的な視野にたった対応が重要である。

0 件のコメント: