2009年11月21日土曜日

おねだり科学者集団

 いろいろな所で報道されているので、ご存知の方も多いと思うが、ここでは毎日新聞の記事を引用してみよう。

 行政刷新会議の事業仕分けで、「来年度予算は見送りを含む削減」を断じられた「次世代スーパーコンピュータ開発」について、大学教授らで組織された「計算基礎科学コンソーシアム」(代表=宇川彰・筑波大学副学長)はこのほど、同開発を「迅速かつ着実に推進することが極めて重要でここに強く訴える」などと、開発継続を求める緊急声明を発表した。

 同開発で事業仕分けが出した結論に対し、「見送りに限りなく近い縮減。今回の唐突な結論は、我が国の科学技術の進歩を著しく阻害し国益を大きく損なう」と、不適切な判断だと批判している。

 同コンソーシアムは「スパコンは、現代の科学技術全体において主要な位置を占めている」としたうえで、「国民生活につながる最先端の技術開発では、スパコンを使ったシミュレーションが、国際競争力における主要な武器になっている」と、同開発が基礎科学の研究の遅延など、影響は大きいと訴えている。

 ブログでも書いたが、いまのスーパーコンピュータ開発には問題が多すぎる。その証拠に、内容に詳しい計算機科学の第一人者である金田康正・東京大学教授が、仕分け人として、スパコン予算削減に賛成する立場に回った。理由のひとつは、同開発に関係するスパコン御三家のうち、NECと日立製作所が撤退したこともある。

 日本が世界一の演算速度を誇ったのはNECの地球シミュレータである。その企業が撤退した背景を推して知るべきであろう。神戸に大きな箱物をつくり、巨額の無駄金をつぎ込む。1500億円あれば、もっと建設的な科学振興策はとれるはずである。 

 これだけの巨費が投じられれば、当然、利権が生じる。そのオコボレに預かれると思っていた科学者は、科学技術立国を錦の御旗にして利権を守ろうとする。ダム建設に寄生虫のように群がる連中と変わりはない。

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