事業仕分けで、民主党の蓮舫議員と言い合いになってテレビで繰り返し放映され有名になったのが、国立女性教育会館である。女性教育の振興を図り、男女共同参画社会の形成に資することを目的として設立された組織とある。
蓮舫議員に対し、理事長の神田道子氏は、「なぜいま女性教育なのか」を説明させてほしいと訴えていた。しかし、時間は限られている。それに、女性教育の必要性を否定するひとはいないだろう。この組織の問題は、そのために巨大な箱物を建設しているという点である。女性教育は、箱物に巨額の予算をつぎこむよりは、より実質的なものに使ったほうがはるかに効率的である。
この組織は埼玉県に位置し、テニスコートやプールに宿泊施設まである。こんな設備が女性教育に必要なのかと、以前から問題視されていた。女性研究者からも、不必要な箱物と指摘する声が多かった組織である。
しかも、蓮舫議員が指摘したように、立派な宿泊施設を持っているが、稼働率が低いうえ、女性教育のための機関といいながら、一般にも格安の宿泊料で提供している。ただし、場所が不便なうえに、宿に使えると表立って宣伝もできないため、結局、赤字の垂れ流しとなっている。
真の男女共同参画や女性教育をめざすならば、箱物ではなく、より教育を実質化する事業に投資すべきである。あの場に引きずり出された理事長に責任はないが、文科省として発想の転換が必要であろう。
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