2007年12月8日土曜日

関東学院大学ラグビー部

 関東学院大学のラグビー部員による大麻事件は、大学人として非常に残念なことであった。ただし、あえて言わせてもらえば、衝撃というよりも物悲しさを感じるというのが正直なところである。こんなことを言うと不謹慎と思われるかもしれないが事情を説明させてほしい。

 この大学には工学部がある。しかし、その偏差値は50をはるかに下回っており、40に近い。私立大学が生き残る分岐点は偏差値50と言われている。つまり、かなりきびしい状況なのだ。ただし、多くの私立大学の理工系では同じような問題を抱えている。それでも、関東学院大学には希望があった。

 関東学院大学のラグビー部は、当初7人しか部員がいなかった弱小クラブであったが、ほとんど実績のない監督が指導し、日本一まで押し上げた。努力すれば夢はかなう。そんな希望をみんなに与えた。それならば、この大学に入ってみよう。そう思った高校生もあったろう。

 悲しいと言ったのは、そういった努力がすべて今回の事件で無駄になったということだ。若気の至りといえばそれまでだが、その影響はあまりにも大きい。

 かつて7人しかいなかった同部の部員数は200人に及ぶという。日本全国からラグビー好きの高校生が集まってくるらしい。しかし、ひとりの人間が200人全員に目を配るのは不可能である。

 とすれば、監督の責務は、部下を信頼して指導に当たらせるということではなかったのか。なぜか、同部では、後継者と目されていたコーチが相次いで辞めていったという。なにがあったのだろうか。

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