2007年12月15日土曜日

薬害肝炎

 世の中には分からないことが多い。今回、強くそう感じたのは薬害肝炎患者に対する国の対応である。誰が見ても明らかである。国に責任があるのであるから、その責任を負いなさい。そう言いたい。

 フィブリノゲン製剤は、人の血液の成分を原料とした医薬品の一種で、大量出血時の止血等の目的で使われてきた。原料に混入した肝炎ウイルスを不活性化するための技術が不十分であったため、多くのひとがC型肝炎に感染した。

 これだけ被害が広がったのは、厚生労働省と、そこから天下りした人間の会社の隠蔽行為が招いた不幸である。海外では、とっくに問題が指摘されていたのに、放置したのだ。明らかに、自分たちの保身だけがすべてで、一般市民など死んでも構わないという発想である。薬害エイズ問題とよく似ている。

 今回の救済の問題点は、救済する範囲を限定しようとするものである。裁判所もそれに賛成している。

 情けないのは舛添大臣である。発言がきわめてあいまいだ。しかし、その理由がなんとなくわかった。全部認めたら、厚労省の予算が吹っ飛ぶかもしれないのだ。なにしろ約29万人に投与されているのだ。感染者は1万人程度とされているが、今後も増える可能性がある。

 治療にはインターフェロン投与が有効であるが、費用が高い。2週間で20万円。一万人でも20億円である。もちろん、これで治療は終わらない。今後、患者が増えれば、とてつもない額になる。国が必死になってごまかそうとしているのが分かる。

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