2007年9月5日水曜日

立って半畳寝て一畳

 この言葉は物欲の限界を示した言葉として印象に残っている。どんなに贅沢な暮らしをしていても、所詮、人間が生活するのに必要なスペースは、立って畳半分、寝ても、畳一枚分しかないという意味である。

 広さが1万坪を越す豪邸に住んでいようが、自分が占めることのできる面積は、たかだか、畳一枚程度である。世の中での成功を、いかに財を成し、地位を高めるかと考えているひとも多いが、ひとりの人間が抱え込める財産などたかが知れているのである。

 実は、この言葉の後に「天下とっても二合半」という語が続く。自分が天下を支配したとしても、一食で食べられるごはんの量はせいぜい二合半であるということを言っている。人が生活するためには、それで十分なのである。下手に贅沢な食事をすれば、健康を害して寿命を縮めるだけである。

 ただし、私は、さらに、この後に次の言葉をつけている。それは「頭の中は無限大」という言葉である。確かに、財産は物でしかないとみなせば限界はある。しかし、財産はけっして物だけではない。人間の中に蓄えられる知恵と知識、それこそが最も大切なものであり、しかも、その大きさは無限大である。

 つまり、人間、物事を学ぶということに対しては、無限大の包容力を持っているのである。そして、知識を蓄えるということによって、より豊かな人生が開けるものなのである。

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