2009年10月11日日曜日

越前クラゲ

 越前クラゲが大繁殖し、日本海岸だけではなく太平洋岸の漁獲にも大変な悪影響を与えている。どうして、こんなに繁殖したのだろうか。実は、その発祥地は東シナ海と言われている。

 東シナ海の心臓部にあるのが渤海湾である。航空写真を見ると明らかであるが、この湾の汚染が急速に進んでいるのである。写真には毒々しく変色した海が見える。中国本土の河川汚染が海に流れ込み、海外が富栄養化しているのである。その結果、クラゲが大繁殖しているらしいのだ。

 中国の経済発展はすざましい。当然、大量の水を使用する。残念ながら、日本ほど中国の水処理技術は進んでいない。もともと、汚れたものは捨ててしまえば、自然がきれいにしてくれると考えているひとが多い。かつての日本もそうだった。しかし、経済活動が進めば、自然の浄化能力はオーバーフローしてしまう。道理である。内陸で生活している人間には理解できないのだろうが。

 大量発生したクラゲは半年ほどで巨大化し、海流にのって日本海、そして対馬海峡を通って太平洋岸にも押し寄せる。迷惑を蒙っているのは日本だけであるので、国際的な関心も低い。どうしようもないのである。

 この事態を危惧したグループが、渤海湾を浄化するプロジェクトを国に提案したという。ところが役人に一蹴されたそうである。なぜ、日本の金を使って、他人の海をきれいにする必要があるのかと。

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