2009年10月26日月曜日

電気自動車

 どこの自動車メーカーも電気自動車の開発にやっきになっている。CO2を出さない究極のエコカーがキャッチフレーズとなっているが、ちょっと待てと言いたい。

 実は、20年ほど前にカリフォルニア州が環境への影響を配慮して、車に積む電池の使用を大幅に制限するという噂が流れた。州議会が法案を通そうとしているというのだ。そのため、アメリカのベンチャーと一緒になって、電池に変わるエネルギー貯蔵装置としてフライホイールを検討したことがある。実用には至らなかったが、それだけ車載用電池は問題視されていたのである。

 カリフォルニア州が懸念していたのは、その大量廃棄である。電池はなかなかリサイクルが難しい。(リサイクルするよりも新品を買ったほうがはるかに安いという問題もあるが)車の数を考えれば分かるが、その数は膨大である。勢い、不法投棄の対象となり、大量に野山に捨てられ、環境破壊の元凶となる。しかも車は長持ちしても電池の寿命は短い。1台の自動車で、何個もの電池が捨てられる。もちろん、スクラップになる車にも電池は積まれている。その処理に金がかかる。

 電気自動車ともなれば、巨大な電池を積むことになる。走行距離を稼ごうとすれば、その容量は、莫大なものになるであろう。そんな巨大電池が寿命がくれば数年で捨てられる。もちろんリサイクルという手もあるが、そのコストはばかにならない。それに、クリーンと銘打っても、電池をつくるときに大量のCO2を発生していることを忘れてはならない。

 電気をつくるのにもCO2は発生する。エネルギー効率を考えれば、直接変換がもっとも有利である。ガソリンをそのまま燃料にするというのは決して悪いことではないのだ。電気をつくるときに発生するCO2を考えると、どちらが環境にやさしいかは判断が難しい。

 何年か後に、大量の巨大電池が廃棄され、それを処理会社が自分の手に余ると、孫うけに出す。ピンはねされた孫会社は、不法投棄するしかない。その結果、環境問題を引き起こす。そんなことが起きないことを願っている。

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