地球温暖化が世界的な問題としてクローズアップされている。その元凶として二酸化炭素(CO2)に焦点があてられ、その排出量を規制しようという動きがある。新政権の鳩山首相が1990年比で25%削減を約束したことで、賛否両論が渦巻いている。
しかし、地球温暖化の本質をどれだけ多くのひとが理解して議論しているだろうか。実は、専門家でさえも、その本質を見抜くのは非常に難しい。なぜなら、地球規模で起きている現象の検証実験ができないからである。
根本的な問題を、まず整理してみよう。地球には太陽エネルギーが降り注いでいる。そのおかげで、温暖な地球環境が保たれる。その平均温度がH2Oという物質が液体(水)として存在しうる範囲に保たれ、その結果、多様な生物群が存在しているのである。これは、ある意味、奇跡というしかない。
ところで、太陽エネルギーを地球が受けるだけならば、その温度はあっという間に上昇し、灼熱地獄になるであろう。しかし、地球は太陽から受け取った熱エネルギーを、うまく宇宙に放出することでバランスを保っている。
二酸化炭素は、熱エネルギーに相当する電磁波(赤外線)を自身に貯め込むという性質がある。科学的に言えば、赤外線を吸収できる分子構造になっている。そのため、宇宙に放出されるべき熱エネルギーが地球に留まる。これが、地球温暖化の原因である(と言われている)。
しかし、ここにひとつ問題がある。赤外線の吸収スペクトルを調べると、二酸化炭素よりも水蒸気のほうが、はるかに赤外線を吸収することが分かっているのである。つまり、水蒸気はCO2よりも強烈な温暖効果ガスなのである。
現在の報告では、水蒸気による温暖化の見積もりは難しいという理由で、その影響をまったく無視してCO2にだけ焦点があてられている。いわば、さんざん砂糖で甘くした水に、少し果汁を加えたら甘くなるかどうかを議論しているようなものなのである。本当に科学的な議論をするならば、この事実を忘れてはならないであろう。
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