「塩じい」の愛称で呼ばれている塩崎正十郎さんが財務相時代に特別会計に苦言を呈して発した有名な比喩がある。「母屋でおかゆをすすっているのに、離れですき焼きを食っている」母屋が一般会計で、離れが特別会計である。
当時、一般会計が88兆円程度であったが、特別会計は240兆円とも言われた。情報がなかなか出てこないので、予算の総額も分からなかったのだ。官僚の裏の財布とも言われた。自民党の重鎮が特別会計を非難したことで、その改革が進むかと期待したが、期待はずれに終わった。
実は、特別会計に巣くっている公益法人は山のようにある。存在意味のない法人がほとんどであるが、その予算の組み方はほぼ一緒だ。まず、何人の天下りを受け入れているかが基本となる。そして、一人当たり3000万円程度で計算する。予算の一割程度は法人が自由に使っていいので、天下りひとりの法人は少なくとも3億円の予算がつくことになる。10人のところは30億円である。もちろん、個室、ハイヤー、美人秘書が欲しいとなると、この単価は、もっと跳ね上がる。
この計算をしたうえで、例えば30億円の業務委託をするには、どんな仕事を与えたらよいかをひねり出すのである。つまり、業務が先にあるのではなく、天下りを食わすために、どれだけの金がかかるかということで計算しているのだ。国が滅びるのは当たり前であろう。
民主党が政権をとって、特別会計にメスを入れると宣言している。少しは期待したい。いまや国の借金は1000兆円を越すという。年収が40兆円しかない国である。とっくに破産しているのだ。
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