行政刷新会議のメンバーが小沢幹事長の横槍で大幅に変更になった。その理由は実にばかばかしいものであった。政権奪取の悲願を達成した与党民主党にとって、何よりも大事なのは選挙であり、一年生議員にとっての大きな使命はつぎの選挙に勝つことである。そのためには選挙区の引き締めが重要で行政刷新などをしている暇はないということらしい。
本末顛倒とはまさにこのことか。国会議員の仕事は、選挙に勝つことではない。国民が民主党に期待したのは、議員として従来の硬直したシステムを変換することである。いままでの議員のように、地元優先で、国の利権を地方に持ってくることが仕事ではない。
さらに、小沢幹事長は、あんな分厚い資料を渡されても、長年議員をやってきた自分でさえ内容が分からないと言っていた。その先に、ましてや一年生議員などには分かるはずもないと言いたかったのだろうが、一年生議員には、官僚出身者も多く、勘所が見えていたはずだ。まさに適役だったのである。
長年対立してきた仙石大臣に手柄を横取りされたくなかったという見方もあるが、参院選挙を前にして、予算の大幅カットなどをしたら、地方の反発を受けて、選挙で負けてしまうという懸念もあったと聞く。しかし、これは選挙民をばかにしている。国民もムダ撲滅を期待しているのだ。
もちろん、地方の首長や議員には、いまだに、国におもねて税金を掠め取ろうと画策する輩が多い。その協力なくてして選挙で戦えないという心配も分かる。しかし、これは、旧い発想であり、民主党は、そんな協力なしに選挙で勝ってきたはずだ。公示前一週間で立候補を決めた候補が選挙で勝ったのが何よりの証拠である。
このままでは、自民党が民主党という名前に変わっただけで、政治の体質は何も変わらない。
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