ある教育関連の国際ワークショップに参加して驚いた。文部科学省の顧問という有名大学の学長を経験した元教授が基調講演をしたのであるが、その英語が間違いだらけだったからだ。
英語の発音はなかなかなもので、日本人には珍しいと最初は感心していたのであるが、使っているパワーポイントの英語に初歩的な間違いが多いのに、途中から困惑してしまった。文部科学省を代表して発表しているのだから、当然、官僚のチェックが入っていてしかるべきである。あれでは、日本の恥をさらしているようなものだ。
なかでも困惑したのが、キャリア形成という英語である。carrier developmentと誤った英語がスライドに堂々と書かれているのである。それも、何度も講演に登場する。キーワードのひとつなのだから、当然チェックが入っていなければならないのに、どうしたのだろうか。ご本人は自信を持って話しているので、よけい始末が悪い。
英語のcareer(経歴)をキャリアと発音し、carrierという表記をあててしまう日本人が多いのは事実である。careerの発音は韓国の英語名Koreaと同じで、発音は「クリア」である。carrierには「運搬人」という意味もあるが、「保菌者」という意味で使われることが多く、あまりイメージがよくない。実は、エイズ感染者のことをAIDS carrierと呼ぶ。
それを同席者に確認したら、「役人は知っていて、わざと教えていないのではないか」と笑っていた。気に入らない人間がいると、役人は意識的に恥をかかせようとするのだそうだ。本当だろうか。いずれ、日本の文部科学省のレベルが低いと思われたことだけは確かである。
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