2007年11月22日木曜日

ミシェラン3つ星

 いやはや驚いた。あの超難関といわれたミシェラン3つ星に輝いたレストランが東京で8軒も生まれたのである。ニューヨークで3つ星に格付けされているレストランは、たったの一軒しかない。いかに難しいかがわかるであろう。

 星ひとつでも大変な名誉とされている。それが、3つ星となると、そのレストランを訪れるためだけに旅行してもよいとされる。破格である。3つ星に格付けされると、世界中から料理めあての観光客が訪れるという。
 
 ミシェランの格付けが下がるということを危惧したシェフが自殺したということからも、その影響力の大きさが分かるであろう。評価されたレストランには素直におめでとうと言いたい。トーマスがそう言ったところで、何の有難みもないかもしれないが。

 おいしい料理を楽しむのは、なんとも言えない幸せである。しかし、料理は味だけではないことを忘れてはならない。気の置けない友人や家族と語らいながらする食事は格別である。

 もうひとこと言わせてもらえば、食べ物をおいしいと本当に感じるのは、おなかがすいている時である。満腹で一流レストランに行ったら、どんな豪勢な料理も楽しめない。所詮はそんなものなのだ。

 一方、本当にひもじい思いをしたときには、食べ物のありがたさを、いやというほど感じる。目黒のさんまがいい例である。グルメを競うことにどれほどの意味があるのだろうか。結局は、金持ちの道楽ではないのか。

 「うちは、料理が絶品なのだから無駄口はたたかず料理だけを味わえ」という料理家がいる。トーマスは思う。そんなレストランには絶対行きたくないし、そんな不遜なことを言う人間が作る料理がおいしいとは思えない。

 最後に、人間が人間を評価することに絶対はない。ノーベル賞の失敗をみれば分かるであろう。ミシェランの格付けは一年ごとに更新されるという。最高位に評価してくれたことは嬉しいことかもしれないが、それに固執する必要はない。評価する人間が一流とは限らないのだ。

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