2007年11月1日木曜日

奨学金を行政改革?

 財務省は、来年度予算で文部科学省の奨学金事業予算を削減する方針を固めたらしい。その理由として奨学金を遊興費に転用する学生が目立ち、苦学生支援という奨学金本来の意味が薄れつつあるとしている。

 確かに、その傾向はある。しかし、奨学金をもらった人間はいっさい遊ばずに、勉強だけしていろというのはどうだろうか。All works and no play makes Jack a dull boy.ということわざがあるように、勉強ばかりで遊ばない人間は将来大成しないといわれている。

 私も奨学金のお世話になったひとりであるが、ストレス発散に安い居酒屋に後輩をつれていっては、将来の夢を語ったり、世の中の不条理を嘆いたりした。

 給料の安い最初の頃は、返済するのは大変だったが、ちゃんと返さなければ、後輩に迷惑がかかると思って20年で完済した。問題は、奨学金を返さない人間が増えていることだろう。回収不能に陥った奨学金は、平成18年度には2000億円を突破するとされている。

 しかし、これにも理由がある。返したくとも返せない人間が増えているのだ。前にも話したが、博士号をとって定職につけるのは、わずかである。ポスドクについても、期限がきたら辞めざるを得ない。その後の保障はないのだ。仕事がなければ、返済はできない。2000億円という額は、博士問題の深刻さを反映しているのだ。

もちろん、中には返せるのに返さない不届きものもいる。典型例は、博士を日本でとったあと、海外に転出した連中である。督促状を送ろうにも行き先が分からない。その後、何年かして日本に帰ってきても連絡をとらない。そのまま踏み倒してしまうというわけである。

 とは言っても、奨学金を必要としている学生はけっして少なくない。財政が厳しいからという理由で奨学金を減らすと、日本の将来に禍根を残すことになるだろう。

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