2007年11月30日金曜日

質量保存の法則

 小、中学生を対象にした理科の学力調査の結果が27日文部科学省から公表された。その中で、なぜかクローズアップされているのが、質量保存の法則である。

 面白いことに、小5と中2で同じ問題を出題したようだ。その問いは
「水100グラムに食塩20グラムを溶かしてできた食塩水の重さと、なぜそうなるか」というものである。

 どうだろう。正答が書けるだろうか。答えは120グラムである。

 ここで、120グラムと正答し、溶けても食塩の重さは変わらないなどと答えられたのは小5で57%。中2の正答率は54%と小学生よりも低かったという。また、誤答では、溶けると「(食塩が)なくなる」などがあったという。

 同じ問題で、中2の正答率が低いという結果は情けないと見られている。しかし、正答率の低さは、経験からくるのではないだろうか。実は、化学変化の前後で質量が変わらないというのは不思議なことなのである。

 中2ぐらいになれば、スパゲッティをゆでるところを見た経験もあるだろう。この時、お湯に塩を溶かすが、たしかに見た目では塩は溶けてなくなる。さらに、体積は変わらない。こんな経験を持っていれば、単純に重さを足すことに抵抗があるのではないか。むしろ小学生は、何も考えずに足し算をしたと言えなくもない。

 さらに、その理由が「溶けても食塩の重さは変わらない」というのはお粗末過ぎる。この現象は、考えれば大変不思議なことなのだ。普通なら、異なる物質を足せば、体積は増える。ところが水と塩では増えない。これが、何に由来するか。それに興味を抱き、深く考えるくせをつけさせる。それが大事であろう。
 
 ちなみに、アインシュタインの特殊相対性理論によれば、質量とエネルギーは等価である。そしてエネルギーが発生すれば質量が減ることになっている。

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