いまの大学生はバブルと聞いてもピンと来ないらしい。当たり前である。彼らが生まれて間もない1986年から1991年頃の話である。日本はわが世の春を謳歌していた。
当時は、銀座で夜飲むと、タクシーがまったくつかまらなかった。店が客用にタクシーを呼べることが、一流店のステータスであったくらいである。乗ったタクシーの運転手の鼻息はあらく、東北からの出稼ぎだと話していたが、農閑期に3ヶ月もアルバイトをすれば、一年分の稼ぎがあると豪語していた。
株価は天井知らずの高騰で、毎日のように最高値を更新した。素人が株で大 儲けするのが当たり前で、株をやらないのはバカとさえ言われた。NTT株は将来一株5000万円になると言って購入を勧めた証券マンもいた。
当時は、マンションや住宅の買い替えで財をなすひとも多かった。マンションの値段があっという間に上がるからである。借金をして買っても、すぐに値段が上がるので、それを売れば借金はチャラとなり、さらにお金が残る。
うまくマンションを売りぬけ、最後は億ションをせしめたひとも居る。この話とよく似たのがアメリカのサブプライムローンである。借金して家を購入しても、その家の価値が上昇すれば問題ない。
しかし、ちょっと考えれば、住宅の価格が上昇し続ければよいが、一度、下がれば大変なことになるのはみえみえである。結局、バブル後は、日本でも破産者が続出した。アメリカで、まったく同じことが起こっている。しかも被害額は200兆円を超える可能性があるという。
日本の株価が、もうすぐ4万円に届くという頃、アメリカのワシントンで株価暴落のニュースを聞いたのを覚えている。これは大変なことになると思ったが、その予感はあたった。株価はいっきに急落し、2万円を切るまでに落ち込んだ。当然、素人の株屋はみな大損し、借金を抱えることとなった。歴史は繰り返すというが、人は学習しないのだろうか。
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