2007年11月16日金曜日

国際貢献

 テロ特措法の論議で思い出したことがある。日本は、自衛隊を戦地に派遣できないという制約から、海外から非難されたことがある。イラクがクウェートに侵攻したことに反発したアメリカが多国籍軍をイラクに派遣した湾岸戦争の時である。

日本が軍事的な協力をしなかったということからアメリカ国内で非難が巻き起こった。そこで、当時の自民党の幹事長であった小沢一郎氏は、一兆円もの巨費をアメリカに提供したのである。

 残念ながら、この対応は評価されなかった。そこで、日本は英語が堪能な政治家をアメリカに送り込み、日本はこれだけ貢献しているという講演を複数の大学でした。ところが、学生からは総すかんを食らった。

 この政治家は「日本は国民ひとりあたり100ドルもの金を出して湾岸戦争に協力している」と訴えたそうだが、アメリカの大学生からは、たった100ドルでアメリカ人の命を買うのかと顰蹙を買ったらしい。

 なんとも情けない話である。一兆円といえばいいものを、国民の数で割って、たった一万円の寄与ということに矮小化してしまった。実は、トーマスの同級生の外務官僚が、この講演に随行したと聞いて、怒ったことがある。なぜ、一兆円の寄与を一万円にしてしまったのかと。すると、しれっとした顔で、そのほうが分かりやすいと政治家が言ったからという。

 その頃、海外の研究者と飲む機会があり、このことが話題になった。その場で、日本は一兆円の金を湾岸戦争に拠出したといったら、みんなが驚いた。トーマス本当か。いや、お前はドルと円の換算を二桁まちがえているのではないかと。つまり、当時の、海外の認識は、日本ははした金でごまかしたという印象しかなかったのである。本当に一兆円を出したなら、日本の貢献が一番大きいと各国の研究者は言った。

 実は、この金の使い道をアメリカは明らかにしていない。しかも、多数の日本の政治家にキックバックがあったとも言われている。日米双方の政治家が、この金を食い物にしたのだ。国民の血税である。しかも、日本は世界からバッシングを受けている。情けない。

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